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  コンパニオンバードの魅力

コンパニオンバードって何?大型インコの種類と特徴大型インコとの暮らしの楽しさ大型インコの医食住情報コーナー

コンパニオンバードって何?

コンパニオンバードとは、単に「見て楽しむ、聞いて楽しむ」だけの「ペット鳥」ではなく、手に乗り、飼い主と遊び、コミュニケーションをとることを喜びとする鳥たちのことです。生まれてすぐに人間の手で育てられた鳥は人間を仲間と信じています。人間が大好きなです。「籠の鳥」ではないのです。「自由に自然の中を飛び回れなくてカワイソウ」というのは、当てはまりません。一緒に楽しく暮らすことが彼らの喜びなのです。
その中でも、大型インコの仲間は知能が高く器用で、さまざまな芸や会話ができます。しかもそれをエサ目当てでなく、「一緒に遊びたい」という気持ちからおこなうのは、まさに犬と同じです。寿命も30〜60年ときわめて長く、まさに生涯の伴侶(コンパニオン)にふさわしい存在です。また鳥の仲間としては強健で、日常の管理も犬や猫と比較すれば楽ですので、お年寄りでも一緒に暮らせるでしょう。犬や猫と同じように、生活を共にする「家族の一員」なのです。

大型インコの種類と特徴

大型インコは多種多様。それぞれが特徴ある、かわいいコたちです。簡単に特徴をご紹介しましょう。
ただし個体差が大きいので、あくまでも一般論です。

白色オウム類

白色で頭にトサカのある、いわゆる「オウム」です。撫でられたり触られたりするスキンシップが大好きです。神経質な寂しがり屋で、一緒に遊ぶ時間が多くとれる人向きです。遊んであげないとストレスでさまざまな障害を引き起こします。ものまねは上手ではありませんが、握手や芸をこなします。知能はきわめて高く、記憶力も抜群。丈夫で長命です。欠点は朝夕に猛烈な音量のオタケビを上げること。これは習性ですので矯正できません。原産地は東南アジアの島々です。

ボウシインコ類

体色はほとんど黄緑色ですが、種類によって頭部が青色であったり黄色であったりします。種類にもよりますが、ものまねが上手で、また芸もこなします。積極的で人見知りをしないため、お客さんの前でも芸を披露して人気者になるでしょう。オウムほどではありませんが、声はかなり大きいです。丈夫で、長命です。欠点は、やや乱暴で噛みグセがつきやすいことですが、若鳥からのしつけで緩和することが可能です。犬のように飼い主になつきます。原産地は中南米です。

ヨウム

体色はグレーで尾羽だけが真紅です。インコの中では地味な外見ですが、ものまね能力は抜群です。単なる「おうむ返し」ではなくTPOを判断した「会話」が可能で、1000以上の単語を記憶しているコや、数・色・形・材質を識別できるコもいます。丈夫で長命ですが生後6か月までは病気に罹りやすいので注意が必要です。きわめて臆病で人見知りをするコが多く、他人の前では貝になってしまうこともあります。声は大型インコの中ではそれほど大きくありません。原産地はアフリカ中西部です。

コンゴウインコ類

体長90センチにもなる超大型のインコです。三色のもの、青が主体のもの、紅色主体のもの、さまざまな種類があります。顔つきは何となく恐ろしく、また巨大なクチバシがコワイのですが、いったん飼い主に馴れると、子犬のようにまとわりついて遊びたがる、実にフレンドリーな鳥です。知能は抜群で、叱られたことは2度としない「良い子」もいます。ただしクチバシの破壊力は絶大で危険ですし、オウム以上の猛烈な声でオタケビを上げるため、住宅地では問題が生じます。原産地は中南米です。

その他

白色オウムの馴れ方をするのにオタケビを上げないモモイロインコは最近人気です。ものまねも多少はしますが上手ではありません。原産地はオーストラリア。かなり高価な鳥です。
オオハナインコはオスが緑、メスが赤と青という、雌雄で体色のまったく違う珍しい鳥です。
特にオスはおとなしく素直ですが、ものまねは上手ではありません。原産地はニューギニア。
コキサカオウム キビタイボウシインコ ヨウム ルリコンゴウインコ モモイロインコ

大型インコとの暮らしの楽しさ

会話ができる!

大型インコが他のコンパニオンアニマルとまったく異なる点が、この会話能力です。犬や猫も、人間と同じような家族の一員になれますが、会話はできません。大型インコ(特にヨウムやボウシインコ)は受け答え、意思表示を「会話」という手段で行うことができます。これは画期的なことで、寂しい想いをされている方などにはうってつけの伴侶です。

「起きたよ!遊ぼう!ダンナ様おいでよ!」・・・起きて行ってやります。 「ダンナ様おはよう!」
・・・はい、おはよう。やがて「オンモへ出よう!」・・・ケージから出します。「バナナンおいしいな」
・・・仕方ない、バナナをあげますが、待っててね。「待ってるよ!」。はい、バナナ。「アリガト」
じゃあ、仕事に行ってくるよ、ばいばい。「バイバ〜イ、行ってらっしゃ〜い!」

帰宅しました。ただいま。「ダンナ様、おかえり〜っ!」「オンモ出よう!」・・・また出します。
さてテレビでも見ますか。すると「ダンナ様、遊ぼうよ!」。テレビ見たいけどな〜。「遊びましょ!噛まないヨ!楽しいのにぃ〜」・・・(苦笑)遊ぶしかないですね。でも、鳥のほうが眠くなると、「おねむ。おやすみ〜!!」追い出されてしまいました。

手乗りで遊べる

籠の鳥ではありません。出たくなったらそう言います。言ったら出してあげます。手に乗ります。
じっとこちらを見ています。歌い出します。こちらも歌うと大喜びで踊り出します。羽を広げて、首を左右に振りながら屈伸運動(?)のようにして踊ります。楽しそうです。コチラまで楽しくなります。踊ります。するともっとはしゃいで歌声高らかに歌い踊ります。もう気分爽快!!仕事のウサなんか吹っ飛びます。別の場所にいると、足を左右交互に出してヨチヨチ歩いてきます。
名前を呼ぶと、嬉しそうに、急に速足になってタタタタと走ってきます。手に乗ってきます。
いや〜カワイイもんです。撫でてあげるとウットリと目を細めます。

散歩に行ける

逃げません。風切り羽を切るのは、何かに驚いて飛び上がり、衝突事故が起きるのを防ぐためです。自分から逃げたりはしません。じっと腕に乗っています。公園を散歩しながら、一緒に緑を楽しみます。安全な木なら枝に止まらせます。得意になってしゃべります、歌います。コチラも楽しくなります。子供たちが集まってきます。でも触らせません。子供と大型インコは相性が悪いのです。子供たちは加減を知りません。いきなり背後から触ろうとしたりします。鳥は当然恐がって反撃します。楽しくなくなってしまいます。それから綱をはずされた犬にも注意。これ、法律違反行為ですが、公園にはそういう人も来ます。鳥を地面に降ろすのは危険です。こうした注意を守れば、コチラも鳥も快適快適!ニコニコです。ゴキゲンです。

その他

きりがないのでやめます。ともかく楽しくってしょうがないんですから・・・。
ただ、大型インコならではの問題点(叫び声など)もありますので、購入する時には詳しい人と一緒にペットショップめぐりをしましょう。

大型インコの医食住

丈夫で長生きですが・・・
大型インコは小型のセキセイインコやフィンチ(文鳥やカナリアなど)と比較すると丈夫で、環境気候の変化によく耐えることができます。その意味では安心できる鳥種であるとも言えます。

こわい伝染病
しかしPBFDやパチェコ氏病、オウム病といった恐ろしい伝染病もありますし、人間の食べ物を与えたりすると腎臓病やトリコモナス、カンジダといったカビが原因の病気になったりします。そうした場合は抗生物質の投与が必要ですから、動物病院へ行く必要があります。

主治医を探しましょう

犬猫を飼ったことのない人は、動物病院のシステムがわからなくて最初は敷居が高いでしょうが、何かのときに備えて、信頼できる獣医師の先生を探しましょう。電話で「鳥の検便、血液検査をしていただけますか?」と尋ね、OKならば、まずは健康診断を兼ねて伺ってみましょう。鳥専門の先生は非常に少ないですが、ある程度手慣れていらっしゃって、質問によどみなく答えてくださるなら、まず信頼してください。なお、健康保険はありません。診療費は病院によってまちまちです。

健康診断を受けましょう
高栄養食・脂肪食は禁物、栄養価の高いものを与え過ぎると人間のように肥満し、糖尿病や痛風にもなります。丈夫だからと安心せず、おかしいと思ったら早めに信頼できる動物病院に連れて行きましょう。羽毛をふくらませている、しゃべらない、元気がない、クシャミをする、鼻水を出す、下痢をする、これらは危険信号です。
いつでも対応できるように、信頼できる動物病院を探し、主治医となってくださる先生を探しましょう。まず元気であっても、年2回の健康診断を受けることと兼ねて、信頼できる先生を探すことが大切です。

基本は予防
まず、病気にさせないことです。栄養に注意し、週2回は体重測定をして急な変化がないか確認します。またケージの底紙はこまめに交換し、衛生管理とともにフンの異常がないか調べます。
大型インコはヒナ〜若鳥時代には病気に罹りやすいので、特に気を付けましょう。もし病気の兆候が出たならば、直ちに28〜30度になるように保温し、動物病院に連れて行きましょう。保温は大切です。

主食
ヒマワリ、麻、サフラワーなどの混合したシード食と、海外(主としてアメリカ)製の固形配合食であるペレット食に分けられます。一長一短がありますので判断は飼い主次第ですが、総合的に多種の栄養素を摂取できるペレットが栄養的には優れているでしょう。ただし「食事の楽しみ」を奪うことで鳥にストレスを与えてしまうという批判もあり、意見の分かれるところです。

副食
野菜として小松菜、ニンジン、ピーマン、カボチャ、トウモロコシ、ハクサイなどを毎日少量与えます。農薬のかかっていないものを選ぶか、念入りに洗ってから与えてください。果物も大切です。バナナ、みかん、メロンなどだいたい食べますが、アボカド、桃やアンズの種子などは毒ですから与えてはいけません。チョコレートなどのカカオを原料とするものもダメです。人間の食べている味付け食品は欲しがってもあげてはいけません。

栄養剤

人間用のビタミン剤とは有効成分が異なっていますので、鳥用のビタミン剤を与えましょう。エーザイのトリミックスやドイツ製の「ネクトン」シリーズは状況に応じて適切な選択ができるので、高い評価を得ています。日本製のものは、砂糖水に多少有効成分を添加したぐらいのものが多く、嗜好品の域を出ません。

ケージの置き場所
適度な陽射しがあり、陰になるところもある場所。寒暖の差が激しい窓際は避ける。クーラーなどの風が直接あたるところは避ける。あまり人通りの多いところは良くないが、人の集まる場所が望ましい。

温度・湿度の管理
熱帯が原産の大型インコの適温は25〜28度です。空調機器で年間一定の温度が保てるのはベストですがそれが無理ならば、夏は風通しが良い場所に置き、直射日光があたらないようにします。冬はペットヒーターとサーモスタットを組み合わせて、温度を確保しましょう。ヒナで初めて日本の冬を経験するコの場合は、20度は確保してください。2年目からは、無理のない程度に慣らしていきます。湿度は適度を保ちます。また、水浴びを好みますので、週2回程度は好む方法で水浴びさせてあげましょう。

放鳥時の注意
ケージから出したときは、目を離してはいけません。家具や建具をかじったり、危険な観葉植物、錠剤、ゴム、たばこなどを口にしないように注意してください。

スタンドは・・・
ケージでなく、スタンド(オウム撞木)を利用する場合があります。これは主に鑑賞用のもので、足鎖がからんでの事故などの危険がありますし、決定的な運動不足になりますので、特別な事情がない限り、ケージで飼うことが望ましいでしょう。

運動と止まり木
止まり木は1本と指示した本もありますが、これはケージの中を飛び回れる小鳥の場合です。止まり木にサンドペーパーを巻いて爪をすり減らすことを考えたものもありますが、足裏の皮膚を傷つけるので良くありません。太さの変化のある自然木は、足の一部分だけ傷つくことを防止できて望ましいものです。ただし毒性のない木を選びましょう。クヌギ・ナラなどの雑木が一番です。シキミ、キョウチクトウ、アセビは猛毒、エニシダやツゲ、イチイやツツジ類も危険です。

情報コーナー

大型インコの情報はなかなかありません。できるだけ情報は収集したいものです。

書籍





※書籍
について
はHP内の
他の項目
でも多数
紹介して
います。

「カラー図鑑・インコの飼い方」高木一嘉著 成美堂出版 (ISBN4−415−08068−5)

どちらかと言えば小型中型中心の記述ですが、大型インコにも十分配慮されています。まず1冊、となったら、この本をオススメします。基礎知識として必要十分な内容があります。

「大型鳥の本」磯崎哲也著 ペット新聞社(残念ながら絶版です)
大型鳥の選び方、暮らし方、楽しみ方の知恵が満載です。飼養者アンケートで客観的な情報を得ることができるのは大きなメリットです。一般的な飼育書と併せて読むといいでしょう。

「小鳥の飼い方と病気」 高橋達志郎著 永岡書店(ISBN4−522−01052−4)
小鳥の病院で有名であった高橋先生の本です。大型インコの本ではありませんが、特に病気についての情報が多く、飼鳥家として知っておくべき知識が詰まっています。一般向けなので、とても具体的で読みやすい本です。(絶版欠品らしく、古書店でしか入手できないようです。残念!)

「すぐわかるセキセイインコの飼い方と病気」
小島正記著 高橋書店(ISBN4−471−08205−1)

基本的にはセキセイの本ですが、オウム目全般の病気や治療法の記述が非常に多く、参考になります。セキセイの仲間たちとして大型インコの紹介もありますし、オウム目の鳥たちの学名分類表や雌雄の見分け方なども載っています。もしかすると著者は大型も視野に入れて執筆なさったのではないか、と思われるほどです。上記高橋先生の本が入手できない場合は、この本がオススメです。

「愛玩鳥の医学」 平井克哉監修 学窓社(ISBN4−87362−046−5)獣医師向けの専門書で訳本なので、素人には分かりにくいのですが、特に大型インコに関連する事項も多く掲載されていますので、勉強したい方にはおすすめします。単なる医学書ではなく、飼育方法や栄養のことなども詳しく書いてあります。

「飼鳥の臨床指針」 梶ヶ谷博・石森礼子共著 インターズー(直接注文制)
電話:03−5485−1906 東京都港区北青山3−6−18 共同ビル青山4F

これも獣医師向けの専門書ですが、特徴は症例写真が多いことです。具体的に見ることで、自分の鳥がどういう病気の可能性があるのか、知ることが可能です。ただし素人判断は危険ですので必ず主治医にまかせることが大切なのは言うまでもありません。

雑誌

「月刊オールバード」 遊々社 (ペットショップか直接注文)
電話・FAX:0429−59−1766 埼玉県狭山市狭山台4−1−4 ホワイトプラザ藤本105

現在のところ日本唯一の飼鳥雑誌です。インコ中心ではありませんが、専門的な情報から飼い主の「我がコ自慢」まで、興味深い記事が毎月楽しみです。飼鳥家必読の雑誌です。

「BirdTalk」 アメリカのおしゃべり鳥飼養者向け月刊誌
うらやましくなるほど大型インコ先進国のアメリカの雑誌です。専門的な知識を得ることができるばかりでなく、広告を見ているだけでさまざまなヒントを得ることができます。HPもあります。

インターネット

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