A 従来から最近までは「ヒマワリの種」だけをあげている人が多かったのですが、最近ではさまざまな餌が市販されています。また、各種の栄養剤も人間並みに(?)ありますので、よく考えて自分が「これだ!」というものをあげてください。詳細はコチラへ!
A 確かにおいしい食物をあげたとき、鳥は大喜びします。人間の食べ物、甘いものや塩味のついたもの、鳥用の餌でもヒマワリや麻の実などの高脂肪餌をあげると、それこそ目の色を変えて飛びつかんばかりに食べます。その姿を見ると「こんなに喜ぶのなら、あげたほうが鳥も自分も幸せなのでは」と思うのも無理ありません。人間でも「おいしい物を食べずに長生きしたって仕方ない」というグルメの人もいます。それはまた、ひとつの考え方ではあります。
しかし、ここで考えてほしいことは、人生(鳥生)の楽しみは食べることばかりではない、ということです。大型インコは人間と遊ぶことが大好きです。芸やおしゃべりをするのも、構ってほしい、遊んでほしいからであって、おいしい餌が欲しいからではありません。この点は犬に似た性格を持っています。一緒に遊んであげることで、鳥生を十分楽しめると思います(中・小型インコの場合はわかりません)。
また「たまにあげるぐらいなら、それほど害はないのでは?」という考えもあります。明らかな有害物質(チョコレートやアボカドなどの中毒する食物)以外ならば、たまに与える程度で急に健康を害することはありません。しかし、一度味を覚えてしまった鳥は、「おいしい物があるのに、食べさせてくれない!」というストレスが非常にたまりやすいことは事実です。「おいしいの以外、食べないよ」と主餌拒否(餌ばなれ)をおこして栄養失調になってしまう鳥もいます。このあたりは知能の高い大型インコならではの、神経質な性格に起因しています。味を覚えさせないことは大切なことなのです。
よく例に出す話しですが「スナック菓子ばかり食べたがる子どもに、ごはんの代わりにお菓子を与えますか?」ということです(最近は与えてしまう親も増えているそうで愕然とします)。欲しがるから与える、ということは本当の愛情とは言えないのではないでしょうか。「一日でも長く一緒に暮らしたい」ということは、鳥を「家族の一員」と考える立場では当然の発想だと思います。
A インコ類は野菜や果物を好みます。これは健康維持のためにも大切なものですからぜひ与えるようにしてください。ペレット否定派の方はよく「ヒマワリで100年生きたインコもいるから」と言われますが、こうしたインコは餌の3分の1は野菜であった鳥で、決して穀物餌だけで長生きしたわけではありません。穀物餌の方は、ペレット派以上に野菜や果物を与える必要があります。
与える野菜は青菜(上記別項目参照)、ニンジン、カボチャ、ピーマン、トウモロコシ、サツマイモ、大豆(必ずゆでたもの)など。変わったところではトウガラシも喜びます。果物ではカキ、リンゴ(種子は毒)、オレンジ、メロン、イチゴ、イチジク、バナナなど。主食のじゃまにならない程度の量を与えるようにしてください(水分が多いので寝る前は避けます)。与えてはいけないのは有名なアボカド、香辛野菜(ネギやニラ、ニンニクなど)、ゴボウなど。果物ではパパイヤやパイナップルは含有する蛋白質分解酵素の作用が不明ですので与えない方が無難でしょう。
ここで気になるのが農薬汚染です。必ず「無農薬」のものをよく洗ってからあげましょう(本当は自家栽培が一番)。現在農水省では有機農産物表示ガイドラインを次のように定めています。自然農薬とは除虫菊を主原料としたものです。
特別栽培農産物 | 化学農薬 | 自然農薬 | 化学肥料 |
有機農産物 | 不使用 | 使用 | 不使用後3年以上経過 |
無農薬栽培農産物 | 不使用 | 不使用 | 使用 |
無化学肥料農産物 | 使用 | 使用 | 不使用 |
減化学肥料農産物 | 使用 | 使用 | 1/2以下使用 |
期間中有機農産物 | 不使用 | 使用 | 不使用後3年未満 |
ただしこれは規制力のないものですから絶対の信用がおけるわけではありません。なお最近耳にする「オーガニック」は「有機農産物」とほぼ同じと考えてください。また果物でこわいのは「ポストハーベスト(収穫後農薬処理)」で、海外から来るオレンジやバナナなどは有機リン系農薬液散布や臭化メチルの燻蒸処理をされています。特にバナナは強力な農薬処理がなされています。鳥が好むバナナですから、必ず無農薬無燻蒸のものを健康食品の店などで探して与えるようにしてください。
穀物飼料も安心できません。農水省の「家畜飼料の有害物質基準」(1988)で12種類が定められていますが、ヒト用には使用できないBHCも基準内濃度ならば認められるなど、規制の甘さが目立ちます。穀物飼料のほとんどが輸入品であることを考えますと、ポストハーベストの問題もあわせ、ヒマワリ、サフラワー、トウモロコシなどは一応は水洗いして天日乾燥した方が望ましいでしょう。殻も口にする鳥のことを考えると、ヒト以上の注意が必要だと思います。
穀物飼料の話で追加すると「生き餌」と「死に餌」があります。「生き餌」は発芽成長力の残っている種子で、「死に餌」はムキエサのように発芽力のない種子のことです。鳥の健康によいのは当然「生き餌」です。たまに種子類を蒔いて発芽するかどうか確認してみるとおもしろいでしょう。ただし「麻の実(おのみ)」では絶対に実験してはいけません。万が一発芽すると「大麻取締法違反」で検挙されます。なにしろ「麻薬の種」ですから。そうした点から麻の実は発芽防止処理がなされています。現在市販されている麻の実は中国産の繊維用「サティヴァ」種がほとんどですが、煮沸または燻蒸処理がなされています(発芽防止にはこのほか放射線照射がありますが、国内ではジャガイモの発芽防止のみに使われています)。つまり麻の実は不自然な「死に餌」であり、「ヒマワリの方が体に良い」と言われるのは、栄養素の面以外からの、こうした意味合いがあるようです。
コマツナは何も難しくありません。用意するものとしては、プランター、培養土(野菜用)、種、これだけで大丈夫です。栄養分は培養土に含まれています。プランターは深さよりも広さが必要ですが、あまり神経質になることはありません。安いもので十分です。
厚さ10cmくらい土を入れます。土の表面に指で2〜3条の筋をつけてパラパラと種を蒔きます。その上にごく薄く土を被せて、たっぷりの水をジョウロで散水します。芽が出るまでは北側の明るく涼しい場所に置きます。数日で芽が出てきますので、本葉になる頃、5cm間隔ぐらいになるように間引きします(間引いた芽も鳥は食べます)。
このあと「野菜用の肥料」を説明書どおりに適量あげます。ただし葉物野菜の場合は、根菜や果実物と比較して肥料はあまり必要としません。水は表土が乾いたら散水という程度です。本葉が7〜8枚になれば収穫です。
栽培は簡単なのですが、美味しいものには虫がつく。害虫に狙われやすいのです。農薬を使えばイチコロですが、ここは我慢しましょう。穴が空いていたって、栄養価には変わりはありません。ぜひ試してみてください。
A 青菜は鳥にとって大切な副食です。ビタミンやミネラルを薬品のような無理な形でなく、ごく自然な形で補給させることができます。過剰摂取が害を及ぼす「脂溶性ビタミン」も青菜で摂取すれば、過剰部分が排出されるので、理想的です。与える青菜はできるだけ緑色の濃いものを与えましょう。よく「ホウレンソウを与えてはいけない」という人がいます。これは「含まれるシュウ酸がカルシウム沈着を阻害し、骨の弱いコになる」ということですが、ごく少量ならばなんら問題はありません。しかしアクが強いですし、(特に成長期のヒナや若鳥には)一抹の不安もありますから、栄養分がより豊富なコマツナを与えることが一番です。農薬が恐いので自宅で栽培すると良いでしょう。虫にとってもオイシイようで、たちまち穴だらけになりますが、鳥に与える程度の量の収穫はできるでしょう。その他にはニンジン(根茎)、ブロッコリー、カボチャなどが推奨されています。パセリについては海外の文献では推奨されている専門書が多いようですが、有害説もありますので、避けておいたほうが無難でしょう。
野草は「ヒヨコ草」とも呼ばれるハコベ、ナズナ(ペンペン草)、クローバー、オオバコ、タンポポなどを与えると、最初はいやがっても、やがて喜んで食べます。秋にはエノコログサ(ネコジャラシ)やスズメノカタビラなどの穂を与えるとオモチャにしながら食べます(実にトゲトゲがあって洋服にくっつくオナモミは有毒ですので注意)。ただし、こうした野草は排気ガスや犬猫の糞尿に汚染されていることもありますので、注意して採取し、よく水洗いしてから与えましょう。
ミックスベジタブルの利用
一つの方法としてはアメリカで盛んに使われており、日本でも動物園などで使われているのが冷凍食品の「ミックスベジタブル」や「青野菜ミックス」などです。これをゆでて水を切り、皿に入れるとよろこんで食べます。「冷凍食品」というといかにも手抜きのように思われがちですが、同じ栄養価を手軽に与えることができるのならば、大いに利用すべきだと思います。
写真はダイエーで売られているものでオーガニック栽培のものです。無農薬・化学肥料不使用のものですから安心してあげることができます。このほかカボチャなども利用できるでしょう。ミックスベジタブルはご存じのとおり、コーン、グリンピース。ニンジンの賽の目切りの混合です。
ホウレンソウが緑黄色野菜の代表選手であることは、皆さんご存知のとおりです。「食品分析表」を見れば、その栄養価は一目瞭然で、例えばカルシウムは55mg、鉄は3.7mg、ビタミンA(効力)はなんと2900IUも含まれています(100g中)。ホウレンソウがビタミン・ミネラルの宝庫かわかります。
ところが、飼育書によっては「ホウレンソウは鳥の体に良くないので与えてはいけません」と記載されています。その根拠はホウレンソウに「蓚酸(シュウサン)」が含まれていて、これがカルシウムとすぐに結びついて「蓚酸カルシウム」を形成してしまう性質を持っていることです。それにより、本来は骨に沈着すべきカルシウムが不足し、骨格の健全な形成がなされないというわけです。
しかし実際の蓚酸含有量はそれほど多くはありません(下表参照)。生葉1g中、7mg程度です。これは他の野菜の含有量と比較すると圧倒的に多い(例えばニンジンは0.03mg)ですが、カルシウムをすべて奪ってしまうような量ではありません。まして鳥の食生活における青菜の摂取量はほんのわずかです。さらに最近では蓚酸の少ない「サラダホウレンソウ」も販売されていますから、あえて敬遠する必要はないように思えます。少なくとも毒でないことは確かです。欧米の飼育書では、あげるべき青菜の筆頭にホウレンソウを記載しているほどなのです。
けれども私たち飼育者は常に万が一を考えなければなりません。わずかでもカルシウム沈着が阻害されると判明しているのであれば、成長期のヒナや若鳥には避けておいたほうが無難であることは確かです。さらに蓚酸カルシウムは結石、腎臓疾患の原因となりますので、やはり昔から言われているように、あえてホウレンソウをあげることは避けたほうが良いようです。あげるにしても、たまに少し、という程度にしておくべきでしょう。
ホウレンソウが青菜候補に向かないのは、蓚酸だけの理由でなく、マグネシウム含有量の多さもあるのです。100g中、70mgも含有しています。「食品分析表」野菜の部で、これより多くマグネシウムを含有しているのは特殊な食品だけですから、ホウレンソウは事実上野菜の中でマグネシウム含有量ダントツの1位と言えるでしょう。これがあの「アク」の原因となるのです。マグネシウムはカルシウム同様に骨格形成に有用な元素ですが、一方で多すぎるとカルシウムの体内吸収を妨げる働きもしてしまいます。茹でてアク抜きすれば良いのですが、生食ではこうした問題があるわけです。
日本では特産のコマツナがあります。コマツナを鳥も害虫までも喜んでたべるのはご存知のとおりです。先ほどの成分表でも、カルシウムは290g、鉄は3.0mg、ビタミンAは1800IU含まれています。マグネシウムは16mgです。ホウレンソウ同様に栄養価の高いコマツナを鳥たちが好むことを考えると、あえてホウレンソウを与える必要はないとも思います。もちろんコマツナばかりでは偏る心配もありますので、ニンジンやカボチャ、レタスなどもローテーションで与えるべきなのは言うまでもありません。なによりも、ホウレンソウのようなアクの強い野菜を鳥たちはあまり好みません。同様の理由でクレソンやからし菜などもあげるのはやめておきましょう。
野菜名 | カブ葉 | コマツナ | ダイコン菜 | チンゲンサイ | ブロッコリー | キャベツ | ホウレンソウ |
蓚酸 | 67 | 51 | 45 | 95 | 310 | 470 | 773 |
カルシウム | 230 | 290 | 210 | 130 | 49 | 43 | 55 |
比率 | 0.29 | 0.18 | 0.21 | 0.73 | 6.33 | 10.93 | 14.05 |
蓚酸は2.25mgがカルシウム1mgと結びついて不溶性にします。ですから蓚酸とカルシウムの含有比率が2以上あればカルシウム吸収に悪影響を及ぼす可能性があります。ですからカルシウムを多く接種すれば蓚酸の悪影響は相対的に減少します。
※蓚酸含有量は松山東雲短大「亀ゼミ」の研究による
アブラナ科野菜中のグルコシノレート量(mg/100g)
野菜名称 | キャベツ | カリフラワー | 芽キャベツ |
ゴイトリン | 3.8 | 2.3 | 47.8 |
グルコブラッシン | 29.5 | 22.7 | 62.4 |
ゴイトロゲンは甲状腺肥大や甲状腺腫を引き起こす物質です。甲状腺腫にならなくても甲状腺に異常を起こしてチロキシンの合成を抑制して、換羽異常その他の悪影響を及ぼします。アブラナ科の植物には、このゴイトロゲンがグルコシノレートという形で存在しています。また、生大豆にも同様の作用があることが分かっています。 アブラナ科アブラナ属の野菜などに含まれるゴイトロゲンであるグルコシノレートはプロゴイトリン、グルコブラッシンという物質です。 アブラナ科の植物というと、
カブ キャベツ ブロッコリ 芽キャベツ、カリフラワー、ダイコン ナタネ(ナバナ)などです。
ただしこれらの中でも特に用心すべきは芽キャベツです。何mgでどれだけ悪影響があるかは不明ですが、この圧倒的な含有量は危険な数値です。
A さまざまなおやつや補助飼料があります。おやつはヒマつぶし的な効果も期待できるもので、またおしゃべりレッスンのご褒美にもなるものです。
鳥が足(むしろ「手」?)で持って食べる、シード類を栄養成分で固めた「おこし」のようなもので、各種サイズと内容のものが販売されています。とても嗜好性の高いものですので、おやつとして、あるいは遊びの中でのご褒美としてあげるのも良いでしょう。
PARROT用のものの内容成分は次のとおりです。
蛋白質 | 脂肪 | 繊維 | 水 分 | 原 材 料 |
12.5% | 6.0% | 7.0% | 14.0% | 砕きコーン、むきキビ、サフラワー、落花生、カナリーシード、麦芽糖、レッドミレット、 菜種、挽きコーン、コーンシロップ、コーン油、グリシン、プロピルグリコール、小麦、 全卵、リン酸カルシウム、石灰石粉、メチオニン、リジン、カリウム、ビタミンA、D3、 E、K、B6、B12、C、チアミン、葉酸、ビオチン、ethoxyquin |
写真左 ラフィーバー社の「ニュートリベリー」 写真右 左:「インコローム」ボレー粉に葉緑素・木炭・漢方薬を配合 右:無着色ボレー粉を水洗い後日光消毒したものボレー粉は白色の ものが好ましいとされています。ボレー粉は体内で溶解するので、 鉱物飼料(グリット)としては有効ではありません。 |
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最近、ラフィーバー社はニュートリベリーの新製品を発売しました。野菜タイプとトロピカルフルーツタイプの2種です。 左の写真は野菜タイプのパッケージと実物。ニンジン、グリーンピース、ブロッコリーが入っているということです。 右の写真は従来タイプ(左)と新製品(右)との製品比較です。我が家の鳥は両方食べますが、新製品に合成着色料が使用されているのはいかがなものでしょうか? |
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こちらがトロピカルフルーツタイプ。各種穀物とビタミンA、D3、E、K、B12、葉酸などと、メチオニン、リジンといったアミノ酸を添加しています。フルーツタイプはパパイヤ、パイナップル、バナナのドライフルーツ片が入っており、やや湿気を帯びています。うちの鳥たちは非常に喜んで食べます。しかし、野菜タイプ同様に、人工着色料が使用されているのには疑問を感じます。 | ||
これは、アメリカ帰りのお土産に頂いた、「エルパソ」タイプです。青唐辛子・赤唐辛子が粉末状でたくさん混入されているもので、唐辛子が大好きなインコたちには好評でしょう。 早速あげたところ、文句なく大好評。香りは唐辛子というか、 パプリカの風味でした。私も食べたところ辛みはほとんどなく とても良い風味でした。ビールのおツマミに良さそうです(笑)最近輸入が開始されました。 |
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最近輸入されてきている「KAYTEE社」のおやつ、「サトウキビ」です。真空パックになっていて、常に鮮度を保つようになっています。これはいただきものですが、こうしたものがどんどん輸入されてくると飼鳥生活が一層充実してくることでしょう。 ポーちゃんにあげてみると、夢中になってガシガシとかじっていました。甘いものが好きな大型インコにとって、適度な天然の甘味おやつは好適でしょう。 |
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栄養剤のスタッフが販売し始めた「ジャイアントコーン」。うちの3羽には皆好評でした。周りから見ると堅そうですが、中は意外にやわらか。 食べているのか割って遊んでいるのか、いまひとつ不明ですが、ともかくみんな一生懸命でした。これもいただきものです。こうした新しい製品がどんどん増えてくれることを期待しましょう。 |
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優良牧草アルファルファを乾燥させ、ブロック化したものが小動物用に販売されています。粗タンパク15%、粗脂肪1%、粗繊維30%、ミネラルやプロビタミンが豊富な優れたおやつです。開封後は冷蔵庫の野菜室に入れておいたほうが良いでしょう。とても安いものですし、オモチャとしても楽しんでくれますので、オススメのおやつと言えます。 | ||
嗜好性の高いペレット状栄養補助食品「プラスアルファー」のハイペット社が発売した、その名も「オウム・中型インコ用ぜいたくおやつ」。確かに値段は贅沢です。220gで700円。 | 内容はヒマワリを主体に、プラスアルファー(小麦粉・大麦・脱脂粉乳・砂糖・ビール酵母・ビタミン・ミネラル)、リングペレット(小麦粉・コーンスターチ・チーズ・フィッシュミール・ビタミン・ミネラル)、乾燥野菜(白菜・ニンジン・カボチャ)、乾燥果物(パイン・バナナ)、落花生。カボチャの種をブレンドしたものです。 | |
「主食ではない」表示、脱酸素剤による保存、賞味期限の明記など、かなりの配慮が見られます。 「ペレットは動物性タンパクをとれるように」したと書かれてあり、その嗜好性の高さと共に、期待できるオヤツでしょう。ただしペレットの原材料の記述がさらに詳しかったら、良かったと思います。ガサのほとんどがヒマワリの種であることを考えると、非常に「ぜいたく」で、リングペレットのみ販売して欲しかったところです。同様の形式で「ハムスター用」「ウサギ用」がありますが、成分表記を見る限りでは内容も異なった配合をしているようです。小動物用の流用でなく、鳥専用の配合ならばウレシイ配慮と言えるでしょう。やっと日本もこういうものを売るようになりました。 |
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ZuPreem社「パロットクランチ」 最近は海外から、良いおやつがドンドン輸入されています。優良ペレットで知られるズプリーム社から発売されているパロットクランチはタンパク質を強化したペレットのような成分です。トウガラシ味(左)やピーナツ味(右)があり、大好評です。 |
A ペレットへの切り替えについては別項目で説明いたしますが、食べて欲しい青菜や果物を食べないコは心配になるものです。特に青菜はビタミン類の補給に不可欠ですから、なんとかして食べて欲しいと思うものです。
差し餌時代に餌中に青菜を擂ったものを加えて育雛すると、成鳥になった後も青菜好きなコになるものですが、そうしなかった場合は「食べず嫌い」になることがあります。見せると食べるどころか逃げ回ったり威嚇したりと、まったく「食べ物」と認識していないのです。
この「食べず嫌い」克服法にはいくつかの手法がありますが、基本は「食べて見せること」です。
(1)ケージの前でおいしそうに青菜や野菜を食べてみせる。欲しそうにしてもあげない。
(2)外に出したときも見せびらかして、鳥の目の前でおいしそうに食べる。ほぼ間違いなく欲しそうにするでしょう。
(3)自分が食べている青菜、果物をちょっとちぎり、目の前に差し出す。興味を持ってクチバシでくわえますが、最初はまずプイッと吐き出すでしょう。しかしあきらめず「おいしいんだよ〜」といいながら食べてみせ、少しあげる行為をくりかえす。
(4)以上でたいがい食べ物と認識するが、もしだめならば次の方法をとります。
(5)「おいしいよ〜」と言いながら半分口にくわえていると、ヒトの食べ物に関心を示す鳥が寄って来て奪おうとするので、わざとちょっと抵抗した後に、奪い取らせる。奪った食べ物はよく食べるものである。ただし口の接触は病気予防の観点から避けなければならない。
果物の場合はまずバナナから挑戦します。鳥は酸味のあるものに抵抗を示すことが多いので、酸味のないバナナ(必ず無農薬のもの)が最初の果物には向いています。これを上記(1)〜(5)と同じ方法をとりますが、バナナをグチュグチュにして、ヒマワリなどのシード餌の表面に塗りつけて、味と香りに慣らせておく方法もあります。なお鳥は人と違って体内でビタミンCを合成できるので、果物の選定基準にビタミンCをおく必要はありません。
野菜嫌いのマロも フリーズドライの ニンジンならばOK |
このほかの方法としては
(1)野菜(茹でたもの)や果物を裏ごししてピューレ状にし、飲水と共に与える方法
(2)無塩野菜ジュースを薄めて。飲水に入れ、飲ませて味に慣らせる。徐々に濃度を高める(腐敗に注意)
(3)いつもの餌入れに小片をまぶし、何度捨てられてもあきらめずに続ける(腐敗に注意)
などが欧米の専門書では推奨されています。
また、鳥の「パリパリ感好き」を利用してフリーズドライの野菜から始める手もあります。ニンジンや小松菜などのフリーズドライ製品がヒト用にスーパーで売られています。これは栄養価も損なわれず加熱加工もフライもされていません(小動物用の野菜チップは油で揚げてあるので望ましくありません)。写真のように野菜嫌いのマロちゃんもパリパリ感に誘われてニンジンを食べています。こうして少しずつ慣らし、野菜に水気を与えて戻していき、最後には普通の野菜に切り替えれば無理なく食べさせることができるでしょう。
さらに応用として、最初の段階で不ルーズドライ野菜を電動ミルで粉にし、主食に振りかければいやでも口に入りますしニオイにも慣れることでしょう。
未脱穀の燕麦 | 簡単に発芽 | どれどれ・・・ | おいしいよ! |
猫の毛球症を防ぐために「ねこ草」を食べさせますが、これは燕麦の芽が育った草です。栄養価も豊富ですので鳥にも食べさせたいものです。栽培は簡単で、培養土に燕麦を蒔き、適当に水をあげればどんどん育ちます。これを自由にイタズラさせているうちに、青菜を食べるようになってくれるかも知れません。当然無農薬栽培できますので、ぜひお試しいただきたいものです。一度発芽始めると約1ヶ月間繁茂します。マロちゃんは青菜嫌いですが見事に食べるようになってくれました。
A 腸内の善玉菌を増やして正常な腸内細菌叢(フローラ)を形成しておくことは、健康を維持するために必要なことです。通常、これらのフローラは維持されていますが、さまざまな悪条件(抗生物質の長期投与など)で、異常が生じる場合があります。そうしたことを防止するために、乳酸菌の積極的な投与方法を知っておくことは良いことです。
ビオフェルミンは3種の乳酸菌(フェーカリス・ビフィズス・アシドフィルス菌)の製剤ですから分量を間違えなければ問題なく使えるものです。分量はヒトとの体重比で考えれば良いでしょう。
その他の乳酸菌投与方法と言えばプレーンタイプのヨーグルトがあります。明治ブルガリアのLB51という、よくあるものを与えます。ウチでは1羽あたり、ティースプーン2分の1〜すりきり1杯にオリゴ糖(乳酸菌の餌)を混ぜて、週に1〜2回程度あげています。大変喜んで食べてくれます。オカメインコサイズですとスプーン4分の1程度が望ましいとされています。
こういったものは「細く長く」与えることが大切でしょう。
鳥用乳酸菌製剤では、「ザ・乳酸菌」(現代製薬)、「大好きん」(日本生菌)などがあります。いろいろ試してください。ヨーグルトはヒトと一緒に食べられるので、鳥も嬉しいようです。また、フォーミュラ団子をヤクルトで練ると眼の色を変えて食べます。ただし、これは糖分が多すぎるような気がするので、獣医師の先生とご相談の上、お試しください。
A 栄養や衛生面を気使うようになると、飲み水にも関心が出てきます。「水道水は安全か」「夏場の水腐敗は大丈夫か」「飲み過ぎするのですが」「水入れに入って水浴びしてしまいます」というような質問が多いようです。
A 鳥に与える果物は、一般的な飼育書には「バナナ、リンゴ、ブドウ、ミカン、メロン」などがオススメのものと記載されています。このほか一部の飼育書には「イチジク、ザクロ、グァバ、キウイフルーツ、サクランボ、スイカ、梨、柿」などが示されています。しかし一部の獣医師から「梨やスイカは良くない」という指摘があり、またアメリカでは「柿はいけない」との指摘もなされています。
その原因として考えられることは、スイカや梨が水分を多く含んでいるために下痢を招きやすいということと、梨などは細胞が「石細胞」と呼ばれる硬質のものであるため、消化器官に悪影響を与える、ということが原因と考えられます。梨のシャリシャリした触感は、この石細胞のためです。
◇柿は有毒?
鳥は柿の実を好み、鳥たちのために1個だけ収穫せずに「木守り」として残しておく風習はよく知られるところです。一方「柿は食べ過ぎると体を冷やす」と多食が諫められています。こうしたことの原因はタンニンの含有でしょう。渋柿の強烈な渋味のもとがタンニンです。柿は種子が未熟な間、多量のタンニンで守っています。しかし種子が充分成長後には遠くに運んでもらう必要から人や鳥に食べてもらえるように軟らかくなり、渋味がなくなります。甘柿はもともとタンニンが少ない種類を人間が選抜したものです。ほかには特に有害な物質を含まない柿ですから、タンニンの毒性はどうなのか?ということになります。
タンニン(Tannin)は植物の樹皮、葉、果実、根などの中にふくまれる成分で、渋の原因となるのもです。茶の葉、カキの実、カシの葉や樹皮などに多く存在します。食品にふくまれるタンニンは、渋味や苦味といった風味や色に関係があり、緑茶、コーヒー、紅茶などの味や色は、タンニンの質が影響しています。野菜のいわゆる「あく」も、タンニン系であり、ゴボウ、レンコンなど、タンニンの量が多いと味が苦くなるので、ふつうはあく抜きしてから使います。タンニンの工業的用途は、おもに皮革のなめしです。その場合の最良の原料は、オークの虫こぶやスマック(南ヨーロッパのウルシの仲間)の樹皮などで、最初に水、または水とアルコールをつかってタンニンを抽出します。面白いところでは、バナナの皮にもタンニンが多く含まれているため、バナナの皮で皮革製品を磨くと美しくなるそうです。
タンニンはヒトではだ液中のPRPやヒスタチンと呼ばれるタンパク質と優先的に結合して、いわゆる「渋」になります。PRPがない場合はタンニンは食物中のタンパク質の消化に悪影響を及ぼします。ハムスターにはPRPがないのでタンニンを摂取し続けると死亡してしまうそうです。こうしたデータが存在し、また柿になじみの薄いアメリカでは「危険」とされるのかもしれません。インコにPRPを分泌する機能が備わっているのかはわかりません。ただ野鳥が好んで熟柿を食べることを考えると、何らかの機能はあると思われます。ヒトが食べる柿は当然甘柿ですし、また摂取量もおやつ程度であれば、さほど危険があるとは思えません。
◇柿による結石
柿に問題があるというアメリカでの論調は「Phytobezoar(植物胃石)」の原因になるというものだそうです。胃の中で堅く固まってしまった異常物を「胃石」といいますが、その原因が植物であるものを「植物胃石」といいます。そのなかで特定の食べ物が原因として知られているのが「柿胃石」です。これは柿(渋柿の果皮に比較的多い)に含まれているタンニンの一種(シブオール)が胃の中で不溶性に変化し膠着凝固して形成されるものです。胃潰瘍を合併することがありますが、胃石が機械的に胃の壁を圧迫するためと言われています。ここでアメリカの医学書での記事を引用しますと
「腸の障害の珍しい原因」
Phytobezoar はポピュラーではありませんが、主として以前に胃の手術を受けた患者に発生が見られます。今までの臨床例では、全ての発病は冬の間に見られました。この季節がカンキツ類や柿の摂取が増加することが原因と推測されます。phytobezoarsによる腸障害の最近の増加は、旧ソ連からの移住者の増加によって一部説明されるかもしれません。これらの移住者は、旧ソ連では食べることができなかったカンキツ類や柿などのたくさんの安い果実を入できる環境になりました。そのため、以前に胃の手術をした人がこれらの果実を大量に消費したことが発生率の増加につながったことも考えられます。多量のセルロースを含む、これらの果実の多量摂取のためにphytobezoars
発生の重要な役割を果たすかもしれませんから、胃の手術を受けた患者には、柑橘類の果実、及び、柿の摂取制限を必要とします。
以上のように、「植物胃石」は非常にまれなもので、特に心配する必要はないようです。ただし「疑わしきは与えず」の観点からすると、何も無理に柿を食べさせなければならない理由はありませんが、少量の甘柿(種無しでない方がタンニンが少ないそうです)をおすそわけであげることは、古代から柿と親しんできた日本の飼鳥生活ならではのものだと思います。毎日連続してとか、多量にでなければ問題ないと思います。
◇桜にもタンニンが!
サクラの樹皮(桜皮)にはサクラニンやタンニンが含まれています。サクラニンやタンニンは強い殺菌力と消炎作用をもつため、湿布や皮膚の洗浄に使われているそうです。また、だ液中のタンパク質と結合して被膜を作り、粘液の分泌を抑えるため、咳止めやタン止めや消炎剤としても利用されているそうです。アメリカの飼育書で桜の木が止まり木に向かないと言われるのは、このためでしょう。なお、桜の葉には、クマリン配糖体という物質が含まれています。これが加水分解されて糖がはずれると芳香性のあるクマリン(桜餅の匂い)になり、防腐効果をあげますが、クマリンは、殺鼠剤などに利用されている毒物です。桜の葉に含まれている程度ではヒトには無害で、悪いバクテリアを殺すのでむしろ保存料となるのです。野生動物は桜の葉を食べますし、鳥も桜のつぼみをついばんだりしますが、わざわざあげるのは避けたほうがいいかもしれません。花もあげるのも避けたほうがいいでしょう。また、サクランボには、種の中にアミグダリンという有毒物質を含有していますので、やはりあげないほうがいいと思います。
おしなべて、果物の種は有毒と考えておいた方が良いでしょう。植物にしてみれば果肉は食べてほしいものですが、肝心の種子を食べられては元も子もありません。そのため、大なり小なり有毒成分を含有していることが多いのです。
◇漢方の考え方「冷える食べ物」
梨や柿が問題をはらんでいることは上述のとおりですが、これとは別に「梨や柿は体を冷やすので大食してはいけない」と言われます。これは漢方で言われる食物の温熱性・寒冷性の考え方です。
この考えでは食べ物を2種、体を温めるものと冷ますものに分類します。
[温熱性食物]
あぶら菜、大豆もやし、かぼちゃ、かぶ、桃、サクランボ、ライチ、金柑、栗、ナツメ、くるみ、落花生、唐辛子
[寒冷性食物]
ハトムギ、緑豆、豆腐、ほうれん草、アスパラガス、きゅうり、メロン、ナス、トマト、たけのこ、にんじん、大根、梨、りんご、びわ、ゆず、柿、干し柿、スイカ、バナナ、キウィフルーツ、昆布、卵白、白砂糖、食塩
「秋ナスは嫁に食わすな」とよく言われます。これはナスが体を冷やすからです。冷え性の女性は食べ過ぎてはいけないと言うわけです。漢方の考えではナスは、熱を下げ出血を止めると言われています。つまり体を冷やして出血を止め腫物を取る作用があると言うことです。これはどういうことか考えると、どうもタンニンの含有量と関係があるようです。欧米では「ナスはアボカドやチョコレートと並んで「絶対にあげてはいけない」とされています。寒冷性に分類される食品はタンニンが多いものであることがわかります。柿も梨も入っています。野菜でもさけた方が良いと言われる、きゅうりやほうれんそうも同様です。
では「体を冷やす」ということはどういうことでしょうか?これはタンニンが鉄と非常に結びつきやすく、ヘモグロビンの働きを阻害し、「貧血」状態にすることで「冷え」が生じるのではないかと思われます。赤血球はヘモグロビンというたんぱく質と鉄でできた物質です。このヘモグロビンが肺で酸素を受け取ったあと全身の細胞に酸素を運ぶ大切な役目を担っています。鉄が不足しヘモグロビンが減少すると身体の細胞は酸素不足となり、冷え性の原因となるのです。
言うまでもないことですが、「貧血」は血液の量が減ることではありません。赤血球の減少、または数は正常でもヘモグロビンが減って酸素を運搬能力が低下した状態を言います。また、ヘマトクリットが減少した状態も貧血と言います。 鉄分の補給に鉄の固まりを与えてもほとんど消化吸収されません。鉄はヘム鉄と非ヘム鉄に分けることができ、ヘム鉄が吸収され易い形になっています。へム鉄はレバーなどの動物性食品に多く、鳥が食べる青菜や大豆製品などに含まれる鉄は非ヘム鉄です。それでなくともいう吸収がよくない非ヘム鉄しか摂取しない鳥が、タンニンという鉄分吸収の邪魔をする物質があると貧血状態になりがちです。そうしたことから「寒冷性」食品を鳥に常用させることが問題とされるのでしょう。
しかし非ヘム鉄とて全く吸収されないわけではありません。ビタミンCがあると吸収効率が高まります。さてそれでは鉄分を多く含む飼料は何かと言いますと、穀類や野菜などにはあまり含まれていません。コマツナでは100g中3mgです。多いのは海藻です。乾燥ヒジキ(無塩)には100g中55mgも含まれています。もし食べるのであれば、適度な量を与えることは望ましいことかもしれません。
この他に貧血の予防に気を付けることとしては、
(1)カルシウムは鉄と性質が似ているため、カルシウムを摂りすぎると鉄の吸収が悪くなるのでほどほどに。
(2)ビタミンB12、葉酸は赤血球が形成される時に必要なので、しっかりと与える。
(3)ビタミンB6はタンパク質代謝に関与しているので十分与えましょう。また、ビタミンCは非ヘム鉄の吸収をよくします。これは非ヘム鉄Fe3+がより吸収されやすいFe2+に還元されたことによります。鳥の場合はヒトと違って体内でビタミンCを合成できるために、あまり強調されないビタミンですが、貧血の予防の観点からは、あるいはビタミンCの積極的投与(柑橘系果物など)も必要なのかも知れません。このあたりはまだ研究段階のようです。
さて、一方では鉄分を吸収しにくくしてしまう物質が、タンニンの他にもあります。
(1)ホスビチン
卵黄中に存在して、金属イオンと結合しやすく、鉄の吸収を妨げるので、卵黄の取りすぎは良くありません。
(2)蓚酸
蓚酸は金属イオンと結合するので、ホスビチン同様に鉄の体内利用に悪影響を及ぼすことが考えられます。また蓚酸はヘモグロビンの合成も阻害すると言われます。上記「野菜」でホウレンソウが蓚酸を多く含み、カルシウムの吸収を悪くすると紹介しましたが、同じことが鉄についても言えるわけです。ホウレンソウはやはりやめたほうが良いのかも知れませんね。
ただしこれらのデメリットは「常食しない」ことで解消できます。寒冷性食品でも体に良いものがありますから、「ばっかり食い」を避けながら適切な食生活を送ることができるように気を配ってあげましょう。
上記のように日本と欧米の飼育書の記述には様々な相違点があります。これは単純な間違いや研究成果の差にもよりますが、同じ食品名の食べ物が日米で同種でなかったり、成分が異なったりしていることにもよります。アメリカ在住のK.Wさんから、次のような文章を頂戴しましたので、参考意見としてご一読ください。欧米の飼育書や、その直訳本が必ずしも鵜呑みにできないことがわかります。
「ところで、ほうれん草、セロリ等の話題ですが・・・確かに欧米の飼育書には「ほうれん草」は、あげてよい野菜の筆頭になってたりします。うちの鳥達の主治医などは「どんどんあげて」などと奨励しているくらいです。(うちの先生は種を極力減らすように、ペレットと緑黄色野菜&果物主義でして・・・)
ただし、これ(ほうれん草奨励)は彼らの知識のベースが欧米の植物、食物を基になされているからです。成分の違い、それにまず「ほうれん草」の種類が違うことを念頭に入れておいてください。
こちらのほうれん草は日本の物とは見た目も風味も違います。 おそらく学名で調べたらきっと違う属になるかと推測します(残念ながら日本のほうれん草の学名が不明)。
日本ほうれん草は葉っぱがぎざぎざして、茎、根が長く、さらに根元が赤いですよね。
こちらのほうれん草はどちらかというと味はサラダ菜に近い、葉も丸っこく、茎はほとんどありません。(バジルの葉っぱを丸くしたような感じ)
食べ方も、日本だと生で食べることはほぼ無いと思うのですが(おひたしやバター炒めが主流ですよね)、こちらは調理して食べることはあまりなく(たまにベジタリアンのラザニアに入っているくらい)生のままサラダにほうり込みます。
この食べ方からみても成分、ひいては「あく」の量が違うのでは、と推測されます。(日本ほうれん草は生では食べられないくらいあくが強い?)
こちらで、同じような調理法(茹でたり、炒めたり)で日本ほうれん草に最も近い味がするのはナント、スイスチャードです。(ちょっと硬く繊維がもっと多いが茎も赤くて日本ほうれん草を巨大にした感じ)
植物の種類だけじゃなく、土壌の違いも大きいです。 日本ピーマンの種を入手してこちらでピーマンを育ててみみたら「パプリカ」風の肉厚のスイートペッパーになってしまいました。(日本ピーマンのような薄い皮の方が肉詰めとか作り易いのですよ)セロリもやはりこちらのものは香味が弱く、水分が多く日本のものより生でぽりぽり食べやすいです。
ちょっと前に話題になった「柿」に関しても、アメリカでは「柿」というとほぼ100%渋柿です。食べ方も、渋が充分落ちた頃、つまりぽたぽたになるくらいに追熟したものを(実が柔らかくなりすぎて皮が剥けないので)先を割って、スプーンで中をすくいながら食べるのです。たまに、アジア系食料品点や高級スーパーで「Japanese
Fuyu」と銘うって「富有柿」を見かけますが、その場合、わざわざ「このまま、すぐ食べられます」などと注意書き!がしてあるくらいです。
これらは決して欧米の飼育書が「無知」でも、「間違っている」、のでもなく、対象としている事象に対して基本が違うのです。
ということで本だけではなく(もちろん学術的な知識は大変重要ですが)実際の経験などからくる皆さんの情報がいかに大切で必要なのかがわかりますよね!」
とても大切なことだと思います。最近はあくの少ないサラダホウレンソウが販売されたり、青臭さのないニンジンなども増えていますから、常に新しい情報を収集して取捨選択する目を養う必要があるでしょう。