A 「広め」がどの程度かにもよりますが、結論からすると「同居はできない」と考えたほうが良いでしょう。他の鳥たちと相性が悪いコもいますし、飼い主をめぐっての嫉妬もすさまじいものがあります。ケンカすれば一方が死ぬまで噛み合うこともあります。鳥、1羽ずつに「テリトリー」を与え、安心できる場を提供する意味で、別々のケージに入れてあげましょう。
A 熱帯地方原産の大型インコにとっては日本の冬はつらいものです。日本は南北に長い国なので地方によって話しはさまざまでしょうが、東京を基準に考えてみましょう。しかも室内飼いのケースです。
結論から言えば、最初の1年は最低でも20度程度は維持し、翌年以降は15〜6度程度まで低下させても大丈夫だと思います。建築構造によって、特別なことをしなくてもこの温度を維持できる場合があるでしょうが、室内温度がこれより低下する場合はなんらかの保温(もしくは加温)をしなければなりません。勧められるのは空気を汚さない電熱を利用したものです。ペット(犬猫)用パネルヒータで左右からケージをはさみ、アクリル板などで天井をつくってあげれば、かなり効果的です。湿度も低下しません。パネルヒータは立てかけて使用してもなんら問題なく、しかも電気代が安いのが魅力です。なお「オイルヒーター」は安全快適ですが、電気代がとんでもないことになります。
昔ながらのヒヨコ電球は効果的ですが空気が乾燥するキライがあります。また鳥がイタズラしないように十分注意せねばなりません。黄色の穴あき鉄缶の中に発熱電球が入っている(写真参照)のですが、この鉄缶は熱くなります。ただ、触って「あ、熱いな」と感じる程度なので、極端な発火物がないかぎり安心して使用できます。もちろん外出もOKです。またサーモスタット(高性能のものを選びましょう)を使用すれば、無駄な電力消費が抑えられます。電熱ものでは、爬虫類飼育家が使う赤外線ランプやセラミックランプなどいろいろありますが、今までの実績とコストパフォーマンスを考えると、結局はヒヨコ電球(ペットヒーター)が一番なのかもしれません。20Wから100Wまでありますが、大型インコのケージならば60〜100Wが適切でしょう。「ミニペットヒーター」では力不足です。ペットヒーターの上に止まり木を渡しておくと、寒いときに自分からヒーターの真上に移動します。このように「自分で寒暖を調節できる」ことが大切です(病気の場合はケージ内どこでも28〜30℃にします)。ヒーター
の上に止まり木を渡すことは、ヒーターに直接乗ってヤケドするのを防止する意味からも大切です。
ヒヨコ電球は水がかかったり、衝撃を与えたり、電圧の合わない電球を用いたりすると割れてしまいます。鳥の水浴びの水滴がかかったりしないように十分注意しましょう。なお、ヒヨコ電球のメーカー、旭光電機工業の連絡先がパッケージに表記されていません。同社の電話番号は、03−3474−1451です。初期不良などの場合は丁寧に対応してくれます。
Zライトなどの白熱球(蛍光灯ではありません)も暖かく、明るい雰囲気ができるので愛用する方も多いものですが、大変熱くなるので可燃物(毛布や風呂敷き、ビニールクロスなど)を被せたりしないようにしてください。
ともかく気をつけなければならないのは最初の冬。10月下旬から4月くらいまでは保温器具を使える状態にしてください。特に店内温度を高めに設定している店から迎えた場合は、徐々に自宅室内温度に慣らしてください。ヨウムの若鳥は弱いので特に要注意。
乾燥もよくありません。温度計湿度計は常備品です。湿度50%以下にならないように適切な加湿をしてください。熱帯産の鳥の最適湿度は65%といわれています。インコにとって湿度管理は温度管理以上に大切とも言われます。
ケージの置き場所は窓際とかエアコン温風の直接あたる場所など、温度変化の大きな場所は禁物です。インコはかなり気温屁の順応性があるものですが、短期間(1日レベル)での気温の急変動には非常に弱く体調を崩しがちです。気になる方は、その日の温度差が記録できる「最高最低温度計」を設置するのも良いでしょう。写真のものはバイメタル式の簡易なものです。最高最低温度計は水銀U字管のものが主流で精確ですが、とても読み取りにくいものです。ですから±1℃程度の誤差があったとしてもバイメタル式が読み取りやすく便利でしょう。また、ケージ内には貼る温度計(温度で色の変わるシールタイプ・東急ハンズなどで売っています)を貼っておくといいでしょう。アルコール式や計器タイプの温度計はかじって壊すと危険です。
未確認情報ですが「遠赤外線パネルヒーター」で鳥が死亡したという話があります。(電気コタツなどの「赤外線」でなく「遠赤外線」です。お間違いなく)ちょっとコワイ話です。
ヒヨコ電球にせよ何にせよ、保温器具にはサーモスタットを接続すべきです。これは省エネの面と、鳥の健康面(加温しすぎの熱射病予防)からも大切なことです。ただ、作動温度は誤差があります。つまり20度でONにするためには24度に設定しておかなければならない場合もあるわけです。スイッチOFFは、わりと正確に判断してくれます。
サーモスタットは「バイメタル式」(ヒヨコ電球用のものなど)と「電子制御式」(熱帯魚用のものなど)があり、前者は±3度、後者は±1度程度の誤差があります。電子制御は非常に精度が高いものです。価格は5000円前後で、どちらも同じようなものです。
各社のものの対照実験を実施しました。下はその結果です。
*実験方法:室温24℃、外気温10℃の環境で各社製品のセンサー部と温度計をならべ、24℃状態で各機種20℃に設定。外気を導入して実際に何度で電源がONとなるか計測。次に室温を15℃まで下げて暖房機を運転し加温。何℃で電源がOFFになるかを計測。3回実施し常に微妙なズレがあったため平均値をとりました。
|
* | アサヒニューサーモ 旭光電機工業 |
ESUテラリウムサーモ カミハタ |
グリーンサーモMS3 昭和精機工業 |
目盛り設定 | 開始温度 | ヒヨコ電球用 バイメタル式 |
爬虫類飼育用 電子制御式 |
温室園芸用 バイメタル式 |
20℃に設定 | 24℃ | 17℃で電源ON | 20℃で電源ON | 17℃で電源ON |
20℃に設定 | 15℃ | 21℃で電源OFF | 20℃で電源OFF | 22℃で電源OFF |
この結果だけ見ますとウワサどおり電子制御式のものが非常に正確なのがわかります。ただし水槽用のものは本来水中で使用する目的で作られていますから、空中で常に正常作動する保証はありません。その点、爬虫類用は「空中サーモスタット」と表示されていますから安心です(ドイツ製・1999年3月ホームセンターで3800円)。ケージ内に入れる場合に気になるのはセンサー部分の強度で、そのままでは各機種とも大型インコの破壊力にはひとたまりもないでしょう。金属のフレキシブル管やボックスを利用して保護する必要があります。
(注意:この実験は1機種につき1品のみ、1日だけの実験ですので、同機種が常に同じ性能を発揮することは保証できません。)
なお園芸用でも精度の高い電子式もあります。下記別項「温室の利用」をご覧ください。
ケージの周りを囲むことで暖房効率を著しく上げることができます。この場合、ダンボールやビニールシートを使われる人も多いのですが、通常の大型インコ飼育ではオススメできません。ダンボールは暗く閉鎖的で、人間とのコミュニケーションが取り難いため、いじけて問題行動に走ることがあります。ダンボールは夜間就寝時や安静が必要な病気の場合に望ましい囲い材です。ビニールシートは、よほど上手に囲まない限り、鳥がケージ内に引きずり込んで噛みちぎってしまいます。万が一呑み込んでしまうと危険です。
一番良いのは奥と左右、そして上面をアクリル板で囲うことです。前面は空気取り入れのため、またコミュニケーションを保つため、また鳥自身が場所を移動して好みの温度の場所を選べる意味で開けておきます。完全に囲うと暑くなり過ぎたときに逃げ場がありません。病気以外の保温ではこの程度が適当です。なお、アクリル板は高価なので、場合によっては波型ビニールトタン板を使います。今はホームセンターなどで無色透明のものを売っています。半透明水色のものより望ましく、またアクリル板と比較すると安価です。しかし下に記した理由で、できるだけアクリルを使ってほしいものです。アクリルの接着剤は完全に乾かし、有機溶剤の揮発物を鳥が吸わないように注意してください。
就寝時や病気治療時に使うダンボールは、ケージからクチバシが届かない十分な大きさのものが必要です。電器店で冷蔵庫や洗濯機の箱をもらうと良いでしょう。空気穴を空けることを忘れないようにしてください。また、ペットヒーターに直接接触すると、やはり発火の危険が考えられますので、間隔を十分にとってください。なお、故高橋達志郎先生は「病気の時は気分が沈うつするので、あまり暗くしてはいけない」とおっしゃっています。納得のご意見なので、病気のときも透明アクリル板囲いの方が良いのかもしれません。先生によっては「病気の鳥はいつでも食餌から栄養補給できるように、24時間照明を当てる」ことを勧める方もいらっしゃいます。
アクリル板は高価なので「塩ビ板やポリカーボネート波板ではだめなのか?」という質問を受けます。確かに保温の囲いならばそれでも良いのですが、アクリルには特別な効果があるのです。それは「紫外線透過率が樹脂中ダントツに良好」ということです。つまり冬季に日光浴のため外に出したときに、防風囲いをしますが、ポリカ板では紫外線が遮断されてビタミンD3合成がなされません。アクリル板は比較的紫外線も透過するため、風をよけながら効果的な日光浴ができるのです。ガラスは有効紫外線のほとんどを吸収してしまいます。有効な紫外線(300nm)はガラスではほとんど遮断されてしまいますがアクリル板は75%を透過していると言われています(日東紡調べ)。高価ですがアクリル板はこうした利点があるのです。
A 人間同様に鳥にも日光浴は不可欠です。体内でのビタミンD3の合成によるカルシウム吸収にももちろん大切ですが、ストレス解消といった精神面のケアからも必要なことです。週に2回程度、1時間は太陽を浴びることが望ましいでしょう。ケージの日光消毒にもなります。ただし夏の炎天下に出しっぱなしにしたりすれば、たちまち熱射病でダウンしてしまいます。陽射しの強い時期は30分もあれば良いでしょうし、必ずケージの一部に屋根をかけて、待避できるようにしておいてください。ガラス窓越しの光はビタミンD3合成に必要な紫外線がほぼ完全にカットされているといいます。また冬場は外に出すのは温度管理の面でも望ましくありません。こうした場合、太陽光と同じスペクトルを持つ、特殊な光源を使って日光浴させましょう。冬の保温にもなります。「太陽光と同じ5500ケルビン」とありますが、これは太陽光の「色温度」がその程度であるからで、普通の蛍光燈は4500ケルビンだそうです。詳しくは陸亀研究家samacha氏のHP(ココ)を。
現在、手軽に入手できる特殊光源はアメリカのデュロテスト社製のトルーライト(True-Light
日本語表記はトゥルーではありません。アメリカではVita-Liteとして売られています)です。これはねじれた形の蛍光管で、15W〜110Wまであります。15W1本で4800円とちょっと高めです。最近、このトルーライトをクネクネに曲げて電球のソケットに付けられる「スパイラルライト」(左写真)も発売されました。20Wで100Wの明るさが得られますので照明器具としても優れています。これでどんな電気スタンドでも手軽に利用できるようになりました。効果はトルーライトと同じです。
トルーライトは説明書に寄れば照明効果は3年もちますが、UVB放射効果は半年から1年でなくなるそうです。そうなったら古い物は単に照明器具として用い、新しい物を鳥に使うと良いでしょう。
このほかの電球タイプは同社の「PlantLite」で60Wのものが2400円です。これのほうが冬の温源にもなるので使いやすいでしょう。なお、これ以外の「植物育成用ランプ」は危険ですから避けましょう。爬虫類用(ZooMed
Iguana light 5.0 など)も紫外線が強すぎる可能性があるので避けます。変温動物である爬虫類と鳥類は様々な面で生理生態が違います。
ただし対照実験の結果、こうした一般市販の人工太陽光源は、さほど効果が期待できないという情報ももたらされました。ま、「気はココロ」ということでしょうか。しかし日光とほぼ同様のスペクトルということは、D3有効紫外線は少なくとも、自然に近いものであり、過被曝による害も少ないことになります。医療用の紫外線照射装置なら確実なのでしょうが、とても素人の操作できるものではありません。非常に危険ですね。それならばビタミンD3を適量(これが難しいですが)栄養剤で与えたほうが確実でしょう。
なお爬虫類対象ですが、光源の比較実験の結果は「アニファ」10〜14号に連載されていますので、興味のある方はご覧ください。
ビタミンD3はカルシウムやリンの代謝に不可欠ですが、これは日光の紫外線のうち、285〜315nmの光を皮下毛細血管で受けた「7−デヒドロコレステロール」が変化して生成されます。このビタミンが不足するとカルシウムやリンが体内に吸収されず、正常な骨格や卵殻が形成されません。なお乾しシイタケなどに生成されるビタミンD2のカルシウム吸収効力は、鳥の場合D3の3%しかないと言われています。ヒトなど哺乳類ではD2もD3と同じ効果が得られます。(参照「動物栄養学」朝倉書店)
紫外線は、一般に380nm以下の波長を持つ光ですが、普通の透明ガラス(フ ロートガラス厚6mm)の紫外線カット率は、380nmで20%程度、350nmで25%程度、310nmで100%だそうですから、ビタミンD3合成に必要な紫外線はカットされていることになります。厚さ3mmのガラスでは300nm〜315nmの紫外線は10%程度透過していると考えられます。
すべて生物は太陽の光を受けて生命を維持しています。太陽からは様々な波長の電磁波が送られてきますが、波長の短いもの(ガンマ線やX線などの放射線や遠紫外線(UVC)はオゾン層に吸収されて地表にはほとんど届きません。地球に届く電磁波は293nm〜1349nmの範囲と言われています。
電磁波は波長の長短によって放射線〜紫外線〜可視光線(いわゆる「光」)〜赤外線〜電波となります。このうち自然な生活を営むうえで重要なのは紫外線〜光〜赤外線です。紫外線は殺菌力とビタミンD3合成に、赤外線は熱線として温度の維持に使われます。なお可視光線をプリズム分解すると虹のように紫〜赤の七色に分解できますが、紫が波長が短く赤が波長が長い電磁波です。その両短から先の領域にある電磁波なので、それぞれ「紫外線」「赤外線」と呼ばれるのです。可視光線は380nm〜760nmの範囲です(これはあくまでもヒトの場合で、昆虫などは紫外線も「色」と識別しています。鳥もヒトと異なる可視領域を持っているかもしれません)。
光のうち紫外線というのは、その波長が380nm以下の光です。紫外線はさらに次の3段階に分類されています。
・長波長紫外線(UVA)=320〜380nmの波長<大量に浴びるとDNAが傷つき皮膚の老化を早める
・中波長紫外線(UVB)=290〜320nmの波長<ビタミンD3合成に必要な範囲。過剰被曝は皮膚ガンや視力障害に
・短波長紫外線(UVC)=290nmよりも短い波長<発ガン・紫外線眼炎・免疫力低下など悪影響が大きい
(nm=100万分の1mm)
カルシウムの吸収だけ考えますと300nm付近の紫外線UVBに目がいきますが、生物はそれだけの目的で日光浴をしているわけではないでしょう。太陽光のさまざまな波長の光線を保温やストレス解消その他未知の目的に利用していると考えられます。
どんな人工灯も自然の太陽光に勝るものはありません。露天で飼育され日光浴ができることが理想的なのは言うまでもありません。特定の領域の波長だけを強く発しているもの(殺菌灯など)は不自然で危険なものです。
このように考えてきますと人工灯よりも太陽の方があらゆる面で優れていることがわかります。何しろタダです。しかし生活環境などで満足に太陽光の下で日光浴をさせてあげられない場合もあるでしょう。その場合は人工灯もやむを得ないのですが、できるだけ太陽光に近い光源が望ましいのは言うまでもなく、上記の「トルーライト」などの「フルスペクトルライト」が望ましいでしょう。その理由はいくつかあります。
このように見てきますと、たとえばハロゲンライトの色温度が3000ケルビンであったり、殺菌灯が254nmというUVC領域の波長を多く出したり、ブラックライトが352nmというUVA領域の波長を出したり、また一般蛍光灯の演色評価数が68であったりすることを考えると、やはりトルーライトに代表されるフルスペクトルライトがやはり現状最善の選択でしょう。なおトルーライトで日焼けはしません。
ただし「フルスペクトルライト」という概念はあいまいなので、必要な条件を満たしていないものもあります。基準としては
・色温度が5000K〜6000Kであること+演色評価指数が80以上のもの+可視光線に加えてUVB領域まで放出できるもの+分光スペクトルが太陽に近く各波長をまんべんなくカバーしている(一部が突出していない)ことが言えるでしょう。
A 現在では入手できる個体のほとんどが人工繁殖(ブリーディング)個体ですから必ずしも原産地の気候にこだわる必要もありませんが、長い年月で形成された体質を考えると、できるだけ快適な環境を提供してあげたくなるものです。主な原産地の気候を代表的な観測点のデータで示します。ただし生息地は広範囲にわたるので、あくまでも参考データです。
コチラをご覧ください。
A 特に冬場などは空気が乾燥しがちです。大型インコは熱帯地方原産の種が多いので、湿度は65%程度を維持することが必要です。湿度管理は加湿器などを利用し、湿度計を見ながら調節してください。また大型インコは水浴びを好みます。冬場ではジョウロでかけたりせず、霧吹きを使いましょう。その時の注意点はお湯を使わないこと。羽毛の脂が溶けてしまいます。また直接真正面から霧吹きをかけず、斜め上に向けて噴射し、自然落下する霧を受けるようにしてあげると喜びます。冬場はタオル乾燥(いやがるコの場合はしなくて構いません)した後にドライヤーで乾かします。くれぐれも熱い思いをさせないように、気を配りながらドライヤーをかけます。たいていのコは羽をひろげて喜びます。完全に乾く直前ぐらいでやめ、あとは日光で自然乾燥させると良いでしょう。週に1度ぐらいのシャワーは脂粉の沈積を防ぎ、毛引きの予防になると言われています。
なお、使用する水に「アルカリイオン整水器」の副産物である「酸性水」を使用すると羽ツヤが良くなるそうです。対照実験はしていないので断言はできませんが、良い成績が出たということを複数の飼養家から聞いています。
また、アメリカ在住の薫さんより、アメリカの獣医の指導を紹介していただきましたので引用いたします。
「水浴びについて、これも必要不可欠です。 なんと、週に2度は必要だと言われてしまいました!
水浴びも勇気を持ってたとえ鳥さんがいやがっても健康のためと思ってやってあげてください、とのこと。
特にグラム陰性菌にひっかかった桃(薫さんの愛鳥)には念入りに、ということでこれで結構びっくりされる方もいるかもしれません。
が、野生の鳥は雨の日ほど元気に飛びまわって雨の中もぴ〜ぴ〜声がするのは、流れる雨で雑菌を洗い流すためなのだそうです。
鼻に水が入っても驚かずに。 桃も顔に思いっきり水を浴びてずぴずぴ言ってましたが、これで目や鼻の中の通りを良くし、感染症に罹りにくくする予防になるのだそうです。
健康な子は鼻の穴も回りもきれいなのです。 さらに水浴びの後はドライヤーやヒーターで乾燥させることはしないように。これは鳥に決していいことではないそうです。(うちでは桃の投薬中は家の中のヒーターの空気孔を塞ぐようにいわれていました)
できれば自然乾燥で、家の中が寒ければ、それこそヒヨコ電灯のように「風」の来ない方法で暖めてあげるように、とのことでした。(ただ、北海道のように厳寒の地では難しいかもしれませんが・・・極力風でかわかすことは避けるように、とのことです。
また病気で既に極端に弱っている子には水浴びに関してはあてはまりません)」
A 大型インコはほとんど熱帯〜亜熱帯地方原産ですから、夏の暑さには強いものですが、最近の東京などの35℃は当たり前というような気温ともなると、かなり弱ります。汗腺のない鳥は翼を広げて開口呼吸で、ヒーハー言って暑さに耐えています。こんな日が続くと、さすがの熱帯鳥も体調を崩しがちです。
一番良いのは窓を開けて風を通すことですが、建物条件で無理であったり、防犯上昼間窓を開けたままでは外出もままなりません。それに、大声で鳴くコの場合、窓全開では騒音問題になってしまいます。そこで、あえてオススメするのはエアコンのフル運転です。チンチラのような低温好きな小動物の飼育者は、エアコンを24時間フル運転して24℃程度を維持しています。熱帯鳥はその原産地の気候からそこまで温度を下げる必要はなく、28℃程度で一定であれば良いですし、深夜〜早朝は運転不要なので、電気代もさほど気にする必要はなくなってきました。最近のインバータエアコンの電力消費量は、数年前の半分にも低下しています。さらに最近の機種は空気清浄機能などが付いていますのでそれも魅力です。ここで、最新機種の電気料金を見てみましょう。木造8畳、鉄筋12畳タイプのエアコンです。
* | 機種 | 冷房運転 | 暖房運転 | 実際冷房期間運転 | 実際暖房期間運転 | ||||
社 | 形式 | 1時間単価 | 月フル運転 | 1時間単価 | 月フル運転 | 月消費電力 | 月電気代 | 月消費電力 | 月電気代 |
N | CS-SG28MR | 20.4円 | 14,688円 | 27.6円 | 19,872円 | 73kWh | 1,679円 | 173kWh | 3,979円 |
H | RAS-2810JX | 15.1円 | 10,872円 | 23.9円 | 17,208円 | 63kWh | 1,449円 | 155kWh | 3,565円 |
M | MSZ-SX288 | 16.6円 | 11,952円 | 25.8円 | 18,576円 | 63kWh | 1,449円 | 152kWh | 3,496円 |
1時間単価は定格消費電力に電力料金(23円/kWh)を単純に掛け算したものです。しかし現実には設定温度になればスイッチOFFされることもありますので、実際にかかる電力料金は「実際期間運転」の料金になるでしょう。28℃に設定すれば、さらに10%程度電力消費は抑えられるはずです。考えるよりもかなり安い電力料金です。
実際期間運転の計算方法(基準となる外気温は東京の場合)日本冷凍空調工業会統一基準
冷房:27℃設定、6月2日〜9月21日の3.6ヶ月、6:00〜24:00の18時間運転
暖房:20℃設定、10月28日〜4月14日の5.5ヶ月、6:00〜24:00の18時間運転
なお、除湿運転ならば24時間フル運転でも月1,650円程度になります。愛鳥の健康と騒音対策のために、検討する価値のある選択肢と言えるでしょう。なお、くれぐれも直接風が当たるようなところにケージを置かないようにしてください。
A ヒマワリや各種シード餌から害虫が発生することがあります。ペレットでも例外でなく、今のパッケージになる前のラウディブッシュ社の牛乳パック式容器では、半数以上が開けるとクモの巣状態で困ったものです。小さな飼料でもミノムシのようなマユができて、小さなイモムシが出てきたりします。これはノシメマダラメイガという蛾の幼虫です。この茶色の7ミリほどの蛾が春になると部屋内を飛びまわって不快です。また赤茶の甲虫シバンムシや、コクヌストモドキ、コクゾウムシも大発生し、こめびつに大きな被害をもたらします。
これを防止するには、シードでもペレットでも、買ってきたら冷凍庫(冷蔵ではダメ)に入れて3日間以上凍らせることです。大抵の虫は死にます(下表参照)が、餌の植物(シード)は生きています。植えたら芽が出ました。冷凍後、タッパーのような密閉容器で保存します。具体的には、即冷凍3日間。その後、密閉容器に移し換えて冷蔵室で保存します。数日分をあらかじめ密閉容器(小)に移し換えて室温に戻しておいたものを食べさせます。両密閉容器には食品用の乾燥剤(シリカゲル)をいれることで結露による湿気は防ぐことが出来ます。またこの方法では死滅した幼虫などが腐敗することを心配する必要もほとんどありません。
ただし、害虫は一度発生すると2〜3年がかりで絶滅策をとる必要があります。考え様では「虫がつくほど無農薬で安全」とも言えますが・・・。
なお、このイモムシは無害で食べてしまう鳥もいますが、良くないという先生もいらっしゃいますので、食べさせない方が無難です。それから、シードを洗った場合はよく乾かしてから冷凍するか、洗う前に冷凍してください。水気があると凍り付いてしまいます。
害虫の図鑑は・・・。貯穀害虫・天敵図鑑(食品総合研究所のサイト)
ノシメマダラメイガ (成虫) |
ノシメマダラメイガ (幼虫) |
シバンムシ | コクヌストモドキ |
開張:3〜16mm 貯穀の大害虫 |
体長1〜1.5mm くもの巣状の糸を吐く |
体長:1.5〜2mm ヒマワリなどから発生 |
体長:3〜4mm 穀物、小麦粉を好む |
幼虫死滅温度と所要時間 | マイナス5℃ | マイナス15℃ |
ノシメマダラメイガ幼虫 | 8日 | 1日 |
シバンムシ幼虫 | 10日 | 4時間 |
大型インコにおもちゃ(バードトイ)は不可欠です。頭を使い、足を使い、創意工夫することで退屈から来る「毛引き」の予防になるだけでなく、知能発達や長生きも期待できます。ただし、日本ではおもちゃはセキセイインコ用がほとんどで、これは大型インコには使えません。プラスチック部分が弱く、大型インコの破壊力の前にはひとたまりもないでしょう。したがって大型インコ用のオモチャはほとんどアメリカ製になります。強化樹脂を使っているものは安心して使用できますが、どこででも売っているものではありません。またどぎつく着色された木片を使用したり、危険な金具を使用しているものもありますので、厳選してください。
一番安全で安上がりなのは自分で作ることです。むずかしいことはありません。ここではいくつかの例を示しますが、皆さんの創意工夫で楽しいおもちゃを作ってあげてください。基本は「安全第一」です。ぶら下がる部分は切れるおそれのあるロープを使わず金属鎖を使う、尖った部品や破損したとき鋭角になるものは避ける、丈夫な部品を選ぶ、金属にしても木材にしても無害なものを使用する。その点に注意してください。鳥は気に入ればすぐにカジカジして破損しますが、それは「お気に入り」の証拠。消耗品と割り切って、どんどん作ってあげましょう。これがまた楽しいのです。なお、飼育書に「運動の邪魔になるので、おもちゃはケージに入れ過ぎてはいけません」とありますが、これはケージの中を飛び回ることができる小型鳥の場合で、むしろ大型インコの場合は運動のために多少は多めに入れて構いません。もちろん自由な移動を妨げるような入れ過ぎは禁物ですが・・・。
アメリカ製のバードトイの例 左側はポリカーボネート樹脂と丈夫な鎖を使用したもの。ほとんどの鳥が 興味を示し、ぶらさがり、カジカジする。 右側は中央のボタンを押すと電子オルゴールが作動するもの。説明書に よれば、昼間留守にするときに最適とか。納得。 |
手作りオモチャの例 左は犬用ガムを湯に漬けて柔らかくし、自由に切って 知恵の輪状態にしたもの。衛生面に注意が必要。 中央は鎖や木片、綿ロープを使った完製品。左は滑車 を使った凝ったもの。すでに遊んだ後なのでボロボロ。 右は材料の例。身近なもの、丈夫なもの、自然なもの をテーマに材料を集める。加工はほとんど穴あけだけ。 |
A 破壊力の大きな大型インコの移動時のキャリーは、犬猫用の移動キャリーの丈夫なものを使用するのが一般的です。外が見えた方が安心なのか、見えない方が安心なのか個体差がありますので、必要に応じて風呂敷きなどで覆うといいでしょう。ただしヒトへの依存心の強い大型インコは、飼い主の顔が見える方が落ち着くようです。動物病院への移動などで不可欠になる場合がありますからあらかじめ用意しておき、中に入る習慣をつけておきましょう。
止まり木はあるにこしたことはありませんが、病気の際はクシャクシャにした新聞紙をたくさん入れ、止まり木を付けない方が無難です。個体差があっても、時々覗いて安心させてあげてください。
両面開きが便利! Richellのペットキャリー |
自作のキャリー用 止まり木 |
ポーちゃんに テストしてもらいました。 |
Aの部分の長短を変え ると簡易スタンドに! |
鳥のサイズに合わせて 止まり木のサイズを 考えましょう。 |
|||
背低いバージョン 尾の長さに注意 |
外では 落ち着かない・・・ |
こっちの方が 頭が楽だなぁ〜 |
A まず、密接なスキンシップを求める白色オウムは、ストレスになって問題行動(噛み付き、毛引き症、金切り声など)を起こすことがありますので、難しいと思います。その他の鳥種ならば大丈夫だと思います(個体差は大きいです)。夜もある程度起きていることを余儀なくされる飼い鳥は、昼寝をしますので、かえって昼間構い過ぎるのは良くないぐらいです。ただし、朝夕は、たとえ10分でも遊んであげましょう。彼らにとって、「ケージの外に出られる」という可能性で満足します。また遊んであげるというのは、何も一緒に飛び跳ねなくてもいいのです。腕の上にじっと乗せているだけでも彼らは遊んでもらったように考えます。「遊ぶ」というより「構う、相手にしてあげる」ということですね。なお、暗くなってから帰宅する場合は「暗くなると感知するスイッチ」(3500円程度でホームセンターで市販)を利用してスタンドライトを点灯させるようにし、帰宅時に急に明るくなるショックを緩和する工夫をしてあげてください。
両端に雌雄コンセント | センサー部 | 明るい状況では消灯 | 暗くなると自動点灯 |
ただし、あまりにも極端に生活のリズムが乱れている方は、残念ながら大型インコとの暮らしには向いていないと思います。
A 鳥にとって有毒な植物の例を紹介しましたが、トロピカルな雰囲気を持つインコに観葉植物はよく似合います。ケージの横などにならべてトロピカルガーデンを楽しみたいならば、次の植物が安全とされています。
ブーゲンビリア、ヤシ類、ソテツ(実は有毒)、ゴムノキ、ガジュマル、ベンジャミナ、トキワサンザシ、トケイソウ(パッションフルーツ)、サボテン、カンノンチク、トベラ、マキ、グァバ、ドラセナ(幸福の樹)、ユッカ(青年の樹)、アロエ、オリヅルラン、
(参照・「鳥類の内科および外科臨床」LLL.Seminarほか)
ただし当然ながら農薬類は使用してはいけませんし、葉をかじらせないようにしてほうが無難です。
A 羽切りをしているコなら、気候のよい晴れた休日に公園まで一緒に散歩に出るとストレス解消になります。また家族以外の人間を見ることで、社交性のある鳥に育ちます。そのとき注意すべき点は、車のくる道はキャリーに入れる、地面に降ろして悪いものを口にさせない、犬やカラスに気をつける、他人(特に子供)の手に乗せたりしない、などいろいろあります。それから枝に止まらせたりするときは、毒性のない木であることを確認してください。意外に毒性のある木は多いものです。草でもハハコグサやオシロイバナなどたくさんの意外な毒草があります。また公園や野山で赤や紫の実がなっていると、いかにも鳥が好みそうですが、毒性のある実がかなりありますので、よくわからない実は決して与えてはいけません。室内にある観葉植物にも強い毒を持つものあります。また食用のパセリも鳥には毒とも言われます。なお、毒性のある植物については、次のHPを参照すると良いでしょう。写真付きで説明されています。その他、有毒植物・有害物質については、こちらをご覧ください。
陸亀の飼育家samacha氏のHPはここ。陸亀に危険な植物は鳥にも危険です。
自然観察指導員tomu氏のHPはここ。自然観察活動の観点から危険な植物を列挙されています。
どちらも非常にすばらしい資料です。自然木を使った止まり木やオモチャを作る時の参考にもしてください。
自然木を使った止まり木の場合、両端の始末に悩みますが、木の輪切りをナット代わりに使う方法が微調整が利いて便利です。下の写真を参照してください。
自然木の両端に六角ボルト を埋め込み、輪切り木をナットに |
加工された木 作業は容易です。 |
ネジで自由が利くので 多少の誤差はOK. |
大事な 備蓄材です。 |
マンザニータは北米の乾燥地(カリフォルニアなど)に生える灌木です。スペイン語で「小さなリンゴ」を意味します。カリフォルニア市街から少し高めのところに行くとよく見かける木で、赤紫の光沢のある幹や枝(これはカリフォルニア州の木質で最も堅い)で、アシビのような花が咲く。花の後に、1センチ以下のtリンゴ形の実がなりますが、形だけでなく味もリンゴ風。熟すと中が粉っぽくなるのでこれをコップに受けためて水を加え、「インディアンのアップルサイダー」として清涼飲料水になります。
マンザニータの乾燥した木は火力が強いのでよい薪に利用されますが、これは木質が密であるからです。止まり木としてはこの密であることを利用して、インコたちが囓っても簡単に破壊されないところが利点とされます。また中空部にワクモなどの外部寄生虫が寄生することも防止できます。日本で止まり木好適材とされるニワトコとまったく逆の発想です。
さて、このマンザニータですが、確かに強いのですがあまりに堅くてインコたちが欲求不満になる可能性もないではありません。また赤紫の木肌はツルツルで滑りやすい危険性もあります。さらに日本の気候の故かひび割れしやすく、ここに爪を引っかける可能性も否定できません。購入の際は、こうした割れのないものを選んでください。長めのものを購入し、鋸でケージに合わせて切ると良いでしょう。堅木の割に簡単に切断できます。
A インコはともかく「噛む」ことが遊びの中心ですから、ケージの底に敷いた新聞紙も「隙あらば噛もう!」といつも考えています。しかしせっかく掃除の手数を軽減を図るために敷いた新聞紙を散らかされては逆効果ですし、また新聞インクを口にすることの毒性も気になります。
あるペット雑誌が新聞社に問い合わせた結果によれば、現在の新聞インクは幼児が口にしても安全な素材を使用しているそうです。鳥は体が小さい分、ヒトの安全性とイコールではありませんが、むしゃむしゃと主食のように食べない限り、まずは安心できると思います。
噛み千切らないようにするには、まず底とぴったりの大きさ、または5mm程度小さく新聞紙を折ること、そして、書道用の金属製文鎮を四方にぴったり合わせて置くとイタズラされません。文鎮はかなりの重さで、ツマミのない角材型が良いでしょう。
HOEI465はフン切り網と底(新聞紙を敷く引き出し)までの距離が短いので、クチバシが届いてしまい、敷いた新聞紙を噛み破ってしまいます。そこでふん切り網をかさあげして上昇させ、9cmの距離を稼いでクチバシが届かないようにしました。また、4個の金具のうち2個所をフン切り網を上下から挟む仕掛けにしたので、フン切り網をひっくりかえすいたずらも出来ません。さらにこれだけカサ上げすると、イタズラの不安なく底引き出しに小さな計器式温度計を張ることが出来ます。これは温度管理上とても便利です。
今日も今日とて やってくれました・・・。 |
すぐ買える金具。 総額800円程度。 |
持ち上げ、金具で四方を固定。 9cmあれば届きません。 |
上げ底に気づかない ハナちゃん |
A 大型インコは非常に知能が発達しており、記憶力と共に洞察力も持っているといわれます。ですから、扉を開ける留め金を外すぐらいは簡単にマスターしてしまいます。
現在もっともポピュラーなオウム籠である「HOEI465」などのカンヌキは、縦方向に棒を差し込むだけの形式です。これでは、いとも簡単にはずして出て来てしまうでしょう。鳥が人の目に届かないうちに勝手に外に出ることは非常に危険なことです。何とか防止しなければなりません。
そこで「ナスカン」を付けることになるのですが、ナスカンは「茄子環」で、写真左の茄子型の金具のことを指します。より一般的なのは中央上の「レバースナップ」や、中央下の「鉄砲」です。これらも総称して「ナスカン」と呼ばれることがあります。しかし、これらのスプリング利用の止め具は、大型インコのクチバシの力では容易に開けられてしまいます。
そこで、きちんとしたカギを付けることになりますが、3桁ぐらいのダイヤル錠では、オウム独特の執念(?)で、開けてしまうこともありますので、写真右のような、本格的な南京錠が望ましいでしょう。複数のケージがある場合は、金物店に頼んで、同じカギの錠を複数購入し、すべて共通の物にすると便利です。何も盗難予防ではないのですから、たくさん予備かぎがあるほうが安心です。
A 鳥と暮らすとさまざまな汚れと無縁でなくなります。鳥から出る汚れには次のようなものがあります。
これらは室内の美観を損ねるだけでなく、環境衛生上も好ましくありません。細かい脂粉は呼吸器系の病気、乾燥したフン飛沫は人畜共通感染症に感染する可能性もあります。また、より大きな羽毛や餌殻もダニの温床になったりします。これを防ぐために空気清浄器が威力を発揮します。空気清浄器には次のような種類があります。
結論としては、脂粉やフン飛沫に効果的なのは両用型が最適でしょう。羽毛や食餌殻の除去に最も効果的なのは、昔ながらのホウキとチリトリです。クイックルワイパーのようなものも良いでしょう。また電気掃除機ももちろん効果抜群です。「赤い羽根」のようなフェザーや大きなダウンまで空気清浄器に頼るのは無理な話です。なお、最近の両用型清浄器の電力消費量はごくわずかです。24時間運転で月あたり100円〜300円程度の電気代で済むようです。
最近の空気清浄器は単にフィルターで物理的に塵埃を除去するだけでなく、より効果的に吸気を殺菌する機能を備えています。その機能は次のようなものがあります。
これらを考えると、単に空気清浄だけでなく殺菌効果も併せ持つ機種を選ぶことが望ましいといえるでしょう。このような家電製品は日進月歩で技術革新が進んでいますので、電気店でカタログを集めて、最強のものを選ぶようにしましょう。
A 「理想の広さ」というと、ただやみくもに広ければ良いと思いがちです。もちろん禽舎が作れる環境で、鳥の翼を制限せずに自由に飛翔できる条件下にある時は、広ければ広いほど望ましいといえます。それがもっとも自然に近く、生き生きとして繁殖行動にも結びつくかも知れません。しかし、室内でのコンパニオンバードとしての暮らし、しかも羽をクリップしている大型インコとの付き合う場合は事情は異なります。
結論から言うと、「あまり広いケージは必ずしも好ましくない」のです。広すぎるケージで必要以上の自由度を与えることはテリトリー意識が強まり、乱暴な性格形成につながる場合があります。大型インコはセキセイのようにケージの中で飛び回るわけではありません。ケージ内での運動は足とクチバシとを使ったケージの桟を伝わっての移動です。その中で動き回ったり宙返りしたりしてかなりの運動量を確保します。ですから小鳥で言われるような「できるだけ広く」は、運動量の確保ということではあまり意味をなしません。また、多少小さ目のケージのほうが、「外で楽しく遊ぶ」ことに関心を持ってくれ、外でヒトと遊ぶことに楽しみを見出してくれるのです。ケージ内が楽しすぎると外に出たがらなくなってしまう場合があるのです。ケージはあくまでも睡眠と食事を安心して楽しめるテリトリーとしての広さが適当なのです。
具体的にはキバタン、タイハクサイズではHOEI915オーム、ヨウムやモモイロインコ、ボウシインコサイズではHOEI465オームが最も適当です。オキナインコ、クサインコやアケボノインコサイズではHOEI35オームが望ましいでしょう。以前は間口と機構が465で奥行きが35cmのケージが最適だったのですが、現在は製造されていないようです。35の欠点は出入り口が扉式でなく上下スライド式であることです。またオームケージ以外の「パラキートシリーズ」などのケージは、桟の針金が細すぎ、また餌入れが弱いプラスチック製のため中型以上のインコには不適です。現在のオームケージの餌入れは丈夫なポリカーボネート製です。
止まり木については付属品、自然木、ロープを問わず、餌入れの近くに1本、高低差をつけた奥に1本の2本が原則です。飼育書の中には1本を勧めているものがありますが、移動による運動と前でヒトと遊び、奥ではプライベートを楽しむというために2本が望ましいでしょう。それがストレス解消に効果的なようです。ただし、環境とヒトに馴れていない場合は前の1本だけにします。2本にすると奥が避難場所のようになってしまって、いつまでもヒト馴れないということがあります。最初はヒトに馴れてもらうため、営業用の1本のみにしておき、十分に馴れてからプライベート用の奥の止まり木を設置してあげると良いでしょう。あまりケージ内での自由度を与え過ぎないことも、最初は肝心なのです。なお、ロープなどで複雑な構成にしたり、複数の止まり木を設置する場合は、1本の止まり木に止まった場合にフンがかかる位置にこないように気を付けましょう。
自然の環境では止まり木は自然樹木の枝であり、時として揺れます。その揺れる枝を強く握ることで握力が強化され、足を使ってものをつかむことも器用になるといわれます。これを再現するには、多少揺れるブランコのような止まり木を付けると良いでしょう。
自然木をケージの内径よりも8センチ程度短く切ります。その両端に金具を付け、ケージの横桟に取り付けるのです。
基本的な金具はBに示したヒートンと呼ばれる環のあるねじと、リングキャッチです。これをAのように木の両端に埋め込み、リングキャッチをケージに取り付けるのです(C)。ただこれだけのことですが、適度な揺れ具合を鳥は喜ぶようです。止まり木の場合にはこの程度の揺れで十分なのですが、もしもう少し揺れを大きくしたい場合は、ヒートンとリングキャッチの間にキーリングをいくつか入れて、長くすればよいのです。ヒートンは出来るだけ丈夫な、直径6〜7mmはある太さのモノを使いましょう。またリングキャッチのねじ部分はケージの外側に来るようにしてイタズラを防止します。
これは長さの調節の難しい自然木の止まり木をケージに取り付ける方法としても容易です。
腰高の一般的なもの | 卓上、お座敷用 | 機構は単純です |
A 放鳥しているときに鳥と一緒に楽しく遊んでいても、何か用事をするときに「ちょっと待っててね」ということがあります。そういうときにスタンド(撞木)があると大変便利ですが、市販品は高価で大きく、使い勝手が良くありません。そこで自作すると非常に安価に簡単に作ることが出来ます。材料の基本は植木鉢の鉢受け(樹脂製)、イレクターパイプ(樹脂皮膜のされた鉄管)、木製丸棒、およびボルトナットなどの金具です。鉢受けに穴をあけたり棒を切ったりするだけの単純な作業で完成します。
Aは腰の高さのもので一番多用します。これの難しいところは中間のフン受け用の鉢受けに貫通穴をあける作業。熱した千枚通しで開けていきます。その下にイレクター専用止め具を付けます。BとCは卓上やお座敷、アウトドアで使用するものです。Cは小型鳥用で縦横ともに木製丸棒を使用して鉢受けの下から木ネジで止めています。。
A 一般家庭用の温室はビニールを使ったものと、より本格的なガラス製のものがあります。ビニールのものはかじったりすることもありますのでオススメできませんが、本格的なものは簡易インキュベーター(保育器)として十分利用できます。ことに洋蘭などの温湿度に微妙なな感度を持つ高級観賞植物用のものには素晴らしいものがあります。ここでは「ピカコーポレイション」のシリーズを紹介いたします・サイズは各種ありますが、一応465ケージが4つ収納できる幅110cm、高さ170cm、奥行き60cmのものを例とします。
屋内用一般式 | 屋外用 |
FHJ1711 | FAD1810 |
左:電子式サーモスタット 右上:加温加湿器 右下:加温加湿空気循環器 |
このシリーズは屋内簡易式(FHBシリーズ)と屋内一般式(FHJシリーズ)、屋外用(FADシリーズ)の3タイプありますが、簡易式では単なるガラス箱でオプションが装着できないために例としてはいません。価格はメーカー希望小売価格は目が飛び出るほど高価ですが、実際にホームセンターでの購入可能価格は3分の1です。FHJ1711で3万円程度です。前面および背面はガラス戸で開閉可能、側面は上段のみ開閉可能です。棚板は上下可動式になっており、いろいろなケージを持っている人でも安心です。
このシリーズの特徴は多彩なオプション展開にあります。右図をみていただくとわかりますが、本体に装着するオプションとして(1)温湿度可変加温加湿器(2)冷却用換気扇(3)電子式サーモスタット(4)ロール遮光スクリーン(5)遮光フィルムなどなどが用意されています。
これ以外にも電気プレートヒーターや育成用照明ランプなど各種のオプションが揃っています。照明器具のランプに日光に近いスペクトルを持つ「トルーライト」を利用すれば、日光浴の効果が望めるかもしれませんので、日当たりの悪い場所でも使えるでしょう。逆にロール遮光スクリーンを使えば、夜間の安眠用にもなるでしょう。
(右写真の中段が換気扇、下段が照明器具です)
サーモスタットが精度の高い電子式であることも特筆すべきことです。一般の園芸用は精度の低いバイメタル式だからです。
保温についはガラス戸を閉めて従来のペットヒーター(ヒヨコ電球)を利用しても十分です(温室内部にコンセントが数口あります)。しかしここでは純正オプションの加温加湿器をオススメします。日本の冬場は非常に乾燥しますし、その上暖房保温すれば一層湿度が低下します。そこでヒーター加温と同時に蒸発式に加湿する、この器具は非常に有効であると思います。夏の対策として換気扇があることも便利です。最近の日本では夏季の防暑対策のほうが問題だからです。
作りは非常に頑丈で、特に屋外用のものはガラスに強化ガラスを使うなどの安全対策も取られています。
多少高価でも安心できるものがお得かもしれません。いまだ使っていませんが我が家のケージも4つになったため検討しています。2段重ねにすることで設置スペースも少なくて済むからです。
ただ、ここでひとつ注意しなければならないのは、掃除の便や騒音対策として使ってはいけないと言うことです。確かにガラス戸を閉めてしまえば羽毛も飛びませんし声も少しは小さくなりますが、こういうモノに入れれば今まで以上にこまめに掃除しなければカビやバクテリアが増殖しやすくなります。また騒音も少なくなる代りに家族とのコミュニケーションが不足することも考えられます。ですから、これはあくまでも手抜きのためには利用せず、快適な環境を提供する意味で考慮してください。
なお、ここで重要な注意を。温室用ヒーターは動物の健康には配慮してありませんので、当初通電加温とともに機械油が揮発し有毒ガスとなる場合があります。1日以上外で加温して悪い成分を飛ばしてから使ってください。収納鳥全滅の悲しい報告もあります。ヒーターと限らず、設置後1週間は目に触れるところに置くだけにして、すぐに入れて余計なストレスを与えないようにしましょう。
A 新築住宅に鳥を迎え入れる・・・とても楽しいことに思えますが、最近の新建材からは有毒物質が揮発して、人間にも有毒であることが指摘されています。「シックハウス症候群」と呼ばれるものです。これは「化学物質過敏症」のひとつとされ、1980年代後半になって欧米で指摘されはじめたいわゆる「現代病」です。もっとも有名で危険なのはホルマリン(ホルムアルデヒド)です。資料によれば
「動物実験ではホルムアルデヒド水溶液は眼、皮膚に刺激性を有す。皮膚感作性は陽性で、吸入暴露においても感作性を示す。反復暴露により呼吸器の粘膜上皮の扁平上皮化、さらには粘膜の潰瘍や壊死を引き起こす。皮膚、眼、呼吸器に刺激性を示し皮膚感作性をもたらす。
(2)実験動物において吸入暴露により呼吸器の粘膜上皮の扁平上皮化、粘膜の潰瘍、壊死を引き起こす。変異原性があり、発がん性試験では鼻腔に扁平上皮癌の増加がみられる。住宅の内装材等の接着剤に含まれていることから、室内環境を通じた暴露の可能性がある。」
と指摘されています。一番多く含まれるのは壁紙や建材の接着剤の中で、防カビ剤として用いられ、長期間にわたって揮発しつづけます。新築後(改築・リフォーム後)最低3ヶ月、できれば半年から1年の間は鳥類をはじめとする小動物や魚類の飼育に適した環境ではなく、最悪の場合は死亡ということになりかねません。ともかく換気が大切で、夏の暑さで揮発しきることが多いので、夏に換気を十分にすれば安全でしょう。愛鳥家の中には、転居に際してわざわざ中古住宅を探すという人もいるほどです。飼鳥と暮らしている方が新築・リフォームをする場合には専門家と相談し、ホルマリン等の有害物質を含まない建材(「F0」表示のもの)を使った施工法をすることが必要でしょう。壁紙もビニールクロスを避けて天然素材の紙や麻布を用いると良いでしょう。また除去には上記の通り積極的な換気が大きな効果を発揮します。
住宅業界でも、重大な問題と考え、建材に天然素材のヒノキ、杉、を用いる他、たとえば、備長炭を接着剤に混ぜて有害物質の発生を抑えた壁紙の開発など、業界ぐるみでホルムアルデヒドを含有しない住宅づくりに取り組んでいるそうです。木炭にはすぐれたホルムアルデヒド吸着効果がありますが、その有効期限は1年間ほどです。永久に使えるモノではありません。
●経済産業省は、建材などから発生する有害な化学物質についてのデータ収集と対策技術を開発するため、「室内環境汚染対策調査」に着手しました。新築住宅などでは、有害化学物質を含む建材の使用や室内の高機密化などが要因となり、頭痛など身体への悪影響を引き起こす「シックハウス症候群」ともいわれる「化学物質過敏症」が発症するとの指摘があります。このため、実際の住宅などを使いながら室内環境汚染について調査・研究し、メーカーや消費者などに注意・安全情報を提供します。
調査の期間は2年を予定し、ホルムアルデヒド、トルエン、キシレン、木材防腐剤、防蟻剤、可塑剤の6化学物質を対象に調査します。 調査・研究初年度は実態の把握のため、壁紙や繊維板などの建材から揮発・発散する化学物質の種類や量について調べるとともに、温度や経時変化、室内の挙動などについてもデータを集めます。測定にあたっては、試験室での実験のほか、実際の住宅に調査機械を持ち込んだ実大実験も実施します。
2年目は調査データをもとに、有害化学物質を低減化した建材の開発や吸着換気システムの考案、分解・除去剤の研究といった対策技術について取り組み、室内環境汚染問題の解決を図ります。(日刊工業新聞、平成9年7月12日)
建設、厚生、通産、林野の4省庁は、ホルムアルデヒドなどの化学物質6種を「健康被害を招く恐れが強い」として、建築資材などへの使用を削減するよう住宅関係業界に求める方針を決めました。この国が建築資材への使用削減を決めた3物質3薬剤は
3物質@ホルムアルデヒドAトルエンBキシレン、3薬剤@木材保存剤A可塑剤B防蟻剤です。
●化学物質の使用と毒性
<ホルムアルデヒド>
無色で強い刺激臭のある物質。合板やパーティクルボードなどの建材、壁紙を張る際の接着剤などに含まれているものがある。揮発性が高く劇物に指定されているホルムアルデヒドは目、鼻、のどなどの粘膜を刺激。空気中の濃度が0.05ppmでにおいを感じ、
0.13ppmで目がチカチカする。ヒトにそれだけの悪影響を与えるのだから、鳥などへの影響は非常に大きいと思われる。
国内ではフローリング合板などのホルムアルデヒド含有量を規制するJIS規格や日本農林規格
(JAS)はあったが、室内の空気に関する汚染指標はなかった。新たに厚生省が策定するガイドラインは、世界保健機構(WHO)が定めた規準値と同じ
0.08ppmになる可能性が強いという。
<トルエン>
通常は無色の液体。接着剤や塗料の溶剤などに使われる。
<キシレン>
無色透明の液体。接着剤、塗料の溶剤や、可塑剤の原料として使われる。
<木材保存剤>
木材の防腐や防虫を目的とした薬剤。主成分に、クレオソート油やアルキルアンモニウム、有機リン系殺虫剤、ピレスロイド系殺虫剤などが使われる。
<可塑剤>
塩化ビニールなどの材料に柔軟性を与えたり、加工しやすくするために加える薬剤。ビニールクロスや断熱材、接着剤などに使われているものがある。
<防蟻剤>
ケーブルや建物をシロアリの被害から防ぐために用いる薬剤。主成分は有機リン系殺虫剤やピレスロイド系殺虫剤。
●密室内での加熱器具の影響
ホルムアルデヒドは建材や家具、壁紙などの接着剤、塗料や化石燃料がら出ます。動物実験では発がん性も確認され、目、鼻、咽喉の痛み、めまい、頭痛、吐き気、呼吸困難などの症状を訴える「シックハウス症候群」や「化学物質過敏症」を引き起こします。高濃度では死に至る危険性もあります。このホルムアルデヒドによって、一般家庭の室内が、戸外の7.8倍も汚染されていることが、全国23の研究機関が参加し、国立医薬品食品衛生研究所(東京都)が集計、分析した全国調査でわがりました。同研究所が集計した中間報告によると、民家のベラシダなどで測定した戸外の汚染濃度は全国平均で8ppbだったのに対し、室内は約7.8倍の62ppb、最高では480ppbだったとのことです。住人が浴びた濃度は、新築住宅では中古の1.55倍、鉄筋・鉄骨住宅は木造の1.19倍でした。さらに、この調査に参加した名古屋市衛生研究所の調査では、石油ファンヒーターなど室内排気型暖房器具のない住宅の汚染濃度は戸外の2.3倍なのに対し、使用している住宅では最高で5.5倍、平均で3.5倍の汚染度だったとのことです。築10年以上の家屋でも、室内排気型暖房器具を使
用しているもののなかには、世界保健機関(WHO)の安全基準値[短時間の吸引で、喉や鼻に刺激を感ずる最低濃度として「30分平均値で1立方メートル当リ0.1m g以下」]を超えているものがありました。厚生省も新年度から他の化学物質も含め、健康への影響を調ぺるほか、建設省と協力して対策に乗り出す方針です。 (朝日新聞 平成10年1月25日)
A 室内は危険物にあふれていると言えます。羽をクリップしていない鳥を放鳥する場合、ヒトは必ず100%把握できる状態になければいけません。「料理しながら」「食事しながら」「本を読みながら」などの「ながら放鳥」は絶対にしてはいけないことです。「今まで大丈夫だったから」というのは単なる幸運にすぎないと考えるべきです。鳥を自宅に閉じこめて一方的に家族になってもらったヒトは、鳥たちを危険から守る義務があります。100%どころか120%の注意をしてあげてください。
1.ヒトが直接の加害者になるケースもあります。
・踏みつける ・座布団の下にいたので押しつぶす ・ドアではさむ ・一緒に寝ていて寝返りで押しつぶす
その他悲しい報告は枚挙のいとまがありません。一緒に寝るなどは絶対に禁物です。
2.鳥が自分で近づいてしまう危険物は実に多くあります。
・鉛筆立ての尖った鉛筆、刃物 ・電気コード ・輪ゴム ・ゼムクリップ ・薬品錠剤 ・消しゴムや鉛筆のかす ・たばこ ・吸い殻 ・鉛製品 ・ボタン ・ボタン電池 ・腐食したあらゆる物質
放鳥の前にはこうしたものがないか、徹底的に調べてください。
3.状況が引き起こしてしまう危険な場面もあります。
一番よくある例が加熱調理中や食事中の熱源(鍋など)への突入です。また鳥がストーブや冷まし中の熱いアイロンに止まってしまうこともあります。案外の盲点で気を付けなければならないのは「自動炊飯器へ湯気への突入」です。自動炊飯器はタイマーで炊飯することが多く、セットしたヒトは「調理中」という気持ちになっていませんから、忘れて放鳥してしまうことが多いのです。炊飯中の湯気は非常に高温ですから、吹き出す湯気に突入しただけで重い火傷になり、ちょうど呼吸(吸気)していれば呼吸器系内部も火傷を負います。炊飯器をいつセットしたかを把握しておくこと、また炊飯器上空をとばせないことが必要です。それ以前に台所には鳥を入れない工夫をしてください。これは人畜共通感染症予防からも不可欠です。冷まし中のアイロンも盲点になりがちですので十分な注意をしてください。
アメリカからはじまった「亜鉛中毒」問題ですが、正直言ってそれほど深刻な問題として受け止めにくい問題です。私の知る範囲で亜鉛中毒とはっきりわかる臨床症状の鳥という話はありません(獣医師ではないので見聞範囲は狭いのですが)。HOEI(豊栄金属工業)も「40年間亜鉛メッキのケージを販売していますが、亜鉛中毒というのは一件も聞いたことがありません」と言われています。また、アメリカの鳥獣医さんに「臨床例は?」と伺っても、実際に頻発しているということでもないようです。それを考えますと、アメリカで大騒ぎされているほど「亜鉛メッキケージは危険」と即答するにはいささかのためらいがあるのが事実です。
ただ、柑橘類との化学反応はありますし、亜鉛メッキが経年変化しやすいことを考えますと、半永久的に使えるステンレスケージを使えば「万が一」の危険も避けることが出来て、飼い主さんの精神衛生?にも良いとは思いますので、検討する価値は大いにあると思います。ただしステンレスケージはきわめて重いということだけは覚えておいてください。
HOEIさんからいただいているステンレスケージ情報をお知らせしますと
(1)2001年12月からショップに卸している
(2)35、465、465横網、615、915などすべてのオームカゴラインナップでステンレスタイプがある
(3)底のプラスチックは従来品のまま
(4)ケージ形式はすべて従来品のままで、金網部分のみステンレス製
です。形状が従来品のままなのであらゆる意味で便利です。
価格(メーカー希望小売価格)は35オームが14160円、465オームが20860円、465横網が21260円、615オームが25700円などなど。従来の亜鉛メッキ製品と比較すると、3000〜4000円増しと言ったところでしょうか。費用対効果を考えますと、案外とお手頃だという気がします。HOEから2001年12月20日付けで問屋に広報開始していますから、購入は近所のショップでも出来ると思います。
なお、「465横網」を「よこづな」と思っておいでの方が多いですが、アミが横方向の「よこあみ」ですので、お間違いなきように・・・。