飼鳥情報センター 

  USA飼鳥最新情報

アメリカの雑誌には各種インコについての非常に興味深い実話や経験豊富な
しつけコンサルタント、ブリーダー、鳥飼いさんの手記が沢山紹介されています。
このページでは、アメリカでの最新飼養テクニックの紹介をします。

言って聞かせる事ができる

 ペット・バード・リポート誌に、大型インコには言って聞かせる事が出来るとの手記が載っておりました。著者はルリコンゴウのマーリンちゃんの飼い主さん。マーリンちゃんの思春期と言う難しい時期に、大掛かりな引越しをしてしまったために、マーリンちゃんが情緒不安定気味になりました。飼い主さんが引っ越しの用事でしょっちゅう不在になるので、スネていたそうです。
 ある時、飼い主さんが旦那さんと二人で小旅行に行く計画を立てていると、マーリンちゃんの様子がおかしいのだそうです。前日に、マーリンちゃんのいるところで旅行の事を話していたからだ、とピンときた飼い主さんは、すかさずマーリンちゃんと一緒にソファに座って、じっくりお話をしたそうです。「大丈夫よ、マーリンのこと大好きよ、旅行へは何日も行くわけじゃないのよ」とお話すると、チュッとキスしてくれるんだそうです。(←マーリンちゃんの表現で「うむ、それならよろしい。」の意味)さらに「ちゃんと旅行に行く前日になったら、明日出発しますよ、って教えるから安心してね」「チュッ」というわけで、飼い主さんが旅行に行ってしまう事を察知し、いつ出発するのか不安でいつもと違う様子を見せていたということが分かったそうです。でも言って聞かせたら、落ち着いていつも通りのマーリンちゃんに戻ったとか。
 私達が思うより、鳥さんはずっとずっとずーーーーっと賢いのですね。上記の飼い主さんも「マーリンは、私よりもずっと賢い。」と断言していらっしゃいました(^。^)

ヨウム人形

 これはオオバタンを飼っている方が、ヨウムを迎える時にした一工夫のお話です。

 ヨウムの雛に惚れ込んでしまった飼い主さん、飼う準備は万端なのですが、はて、オオバタンのダイノソー(その名も「恐竜ちゃん」)の嫉妬対策をどうするか頭を痛めました。飼い主さんの脳裏には、毛引きで丸裸になり、八つ当たりして噛み付いた人間の血をクチバシからしたたらせつつ、ガラスが割れるほどの嫉妬の雄叫びをあげる恐竜ちゃんの姿が浮かんだそうです。(←すんごい想像力、、、)そこで、ビデオでも有名な、しつけコンサルタントのサリー・ブランチャード女史に相談されたそうです。

 女史のアドバイスは、出来るだけヨウムに近いお人形さんを作り、まずそれをカゴに入れて、本物のヨウムであるかのように話し掛けたり、遊んだり、食事を上げたりしているのを、恐竜ちゃんに見せて、慣れさせなさいというものでした。飼い主さんは、さっそく灰色と赤の古靴下に詰め物をしてヨウム人形のボディーをこしらえ、さらに鳥雑誌からヨウムの顔写真を切り抜いて、ボディーに貼り付けました。それをカゴに入れて顔写真を恐竜ちゃんの方に向け、翌朝恐竜ちゃんのカゴのカバーを取って挨拶した後、ヨウム人形のカゴのカバーを取って挨拶しました。恐竜ちゃんは、鳴いたり動いたり大騒ぎして、ありとあらゆる手段を使ってヨウム人形に「お前は何者じゃ!」と聞きます。でも、ヨウム人形は落ち着き払って動じないので、やがて恐竜ちゃんも落ち着いて静かになりました。

 その後3週間ほど、飼い主さんはヨウム人形と遊び、食事をあげ、カゴを掃除し、おもちゃを与えるなど、本物のヨウムと同じように扱うところを恐竜ちゃんに見せました。最初は攻撃的でヨウム人形にギャーギャー叫んでいた恐竜ちゃんも、ヨウム人形が静かで受け身なのを見るうちに、好奇心を示すようになり、しばらくするとヨウム人形に話し掛けるようになりました。同時に飼い主さんは、恐竜ちゃんが「新しい鳥が来たために構ってもらえなくなった」と思わないように、今までと同じだけ遊んであげるようにしました。

 そして本物のヨウムお迎え当日。飼い主さんは「さあ、おいで」とヨウム人形をカゴから出してキャリーに入れて出かけ、本物のヨウムをキャリーに入れて帰宅しました。恐竜ちゃんは、本物のヨウムちゃんが自分で動いて止まり木まで登って行った事に一瞬たじろいだようで(笑)少々攻撃的な動きを見せましたが、今ではすっかり本物のヨウムのとりこで、毎日飼い主の監視付きで一緒に遊び、お互いに羽根づくろいをしたり話し掛けたりして親友になっています。

アメリカへの鳥の輸出入

(以下は http://www.aphis.usda.gov/oa/imexdir.html#bird より)

個人所有のペット鳥は、以下の米国農務省検疫所6ヶ所のいずれかより米国へ入国しなければならない。

 ・ ニューヨーク州ニューヨーク
 ・ フロリダ州マイアミ
 ・ カリフォルニア州サンイシドロ
 ・ テキサス州ヒダルゴ
 ・ カリフォルニア州ロサンゼルス
 ・ ハワイ州ホノルル

尚、カナダの検疫・輸入規制は米国と同様であるため、カナダより米国へ入国する個人所有のペット鳥に関しては、無検疫で入国出来る。ペット鳥を商業目的で輸入する場合には、農務省動植物衛生検査局(APHIS)監督下にある60ヶ所の民間検疫施設より入国することができる。

ペット鳥の米国への輸入に関する詳しい情報の問い合わせは、米国(301)734−5097まで。

口蹄疫(FMD)の発生が認められている国より動物を輸入する場合は、フロリダ州キーウエストの特別厳重管理検疫施設ハリー・S・トルーマン動物輸入センターより入国となります。本施設を利用する輸入業者は毎年一回行われる抽選によって決定します。詳しい問い合わせは(301)734−8170まで。

(口蹄疫情報は家畜衛生試験場http://ss.niah.affrc.go.jp/NIAH/hoge-j.html)
(以下は http://www.aphis.usda.gov/oa/petbird.html より)

米国へペット鳥を輸入するには

外国より米国へペット鳥を持ち込む場合、米国農務省(USDA)動植物衛生検査局(APHIS)の規則が適用されます。ペット鳥とは、販売目的ではなく、個人の純粋な楽しみのために飼育されている、家禽を除く全ての鳥を指します。家禽には、ペットとして飼育されていても、他の鳥とは異なる検疫規則が適用されます。入国に際しては、鶏・七面鳥以外に、雉、ヤマウズラ、鴨、ガチョウ、白鳥、ウズラ、鳩、孔雀も家禽として扱われます。

ペット鳥の入国にはなぜ特別な規制が必要なのか?

ペット鳥が入国する際、危険な病気が一緒に持ち込まれるのを防止するためです。1970年代初頭、南カリフォルニアでニューカッスル病が大発生したのは、南米から輸入されたオウムが原因だとされています。この疾病対策には3年間と5,600万ドルが費やされ、主に鶏ですが1,200万羽近くが処分されました。この経験から米国農務省は、輸入されるペット鳥から危険な感染症が広がらないよう、新たな検疫規則を整備しました。

入国手続き

ペット鳥を外国から米国へと持ち込む場合、以下の手続きを行います:

 ・ まず、農務省検疫所に予約を取ります。

前もって予約がない場合、検疫所に鳥が到着しても拒否される可能性が高くなります。また差し餌中の鳥は受け入れ出来ません。鳥は隔離ケージの中で管理されますので、毎日ケージから出すとなると、施設全体の衛生管理に影響があるからです。

検疫所に予約を取るには、以下のうち入国地点に近い場所のPort Veterinarian(検疫所長)宛てに書面にて申し込み書類「Veterinary Services (VS) form 17-23」を請求し、記入のうえ返送します。

 ・ ハワイ州ホノルル
Port Veterinarian
3375 Koapaka St.
Suite H420
Honolulu, HI 96819
Phone: (808)861-8560
Fax:(808)861-8570

 ・ カリフォルニア州ロサンゼルス
Port Veterinarian
9680 So. La Cienega Blvd.
Inglewood, CA 90301
Phone: (310)215-2352
Fax:(310)215-1314

 ・ テキサス州マクアレン
Port Veterinarian
320 N. Main St.
Room 135
McAllen, TX 78501
Phone: (210)687-8314
Fax:(210)687-1267

 ・ フロリダ州マイアミ
Port Veterinarian
P.O. Box 660657
Miami Springs, FL 33266
Phone: (305)526-2926
Fax:(305)526-2929

 ・ ニューヨーク州ニューヨーク
Port Veterinarian
JFK International Airport
Cargo Building 77, Room 116
Jamaica, NY 11430
Phone: (718)553-1727
Fax:(718)553-7543

 ・ カリフォルニア州サンイシドロ
Port Veterinarian
P.O. Box 126
San Ysidro, CA 92073
Phone: (310)215-2352
Fax:(305)215-1314

(カリフォルニア州の検疫所への予約は全てロサンゼルスで行います)

・ 予約時に、農務省へ検疫料金の全額を支払います。

検疫料金には、鳥の検疫・診察が含まれます。事前に検疫所長より見積もりをお知らせしますが、現時点では、規定の30日間の検疫は1羽当たり約200ドルとなっております。検査を行う場合には、この他に検査料がかかります。予約書類を記入後、検疫所へ返送する時に、農務省宛ての小切手または為替を同封して支払ってください。

・ 輸出国より健康証明書を取得します。
健康証明書は、その鳥が健康診断を受けた結果、家禽伝染病の徴候を一切示しておらず、輸出国の法律に従って出国する事を、当該政府機関が証明したものでなくてはなりません。証明書の日付は、米国へ出国する日から30日以内でなくてはなりません。英語以外の言語で書かれている場合には、英語訳も提出して下さい。尚、申し込み書類「Veterinary Services (VS) form 17-23」には、英語で記入できる健康証明書が添付されています。

注意:入国に際して、健康証明書の他に、米国内務省自然保護局(FWS)や輸出国の発行する書類が必要な場合は、入国時に提出して下さい。詳細は以下の自然保護局の規制に関する項をご覧下さい。

米国内では、独自の自然・動物保護規制を設けている州もあります。詳細については、各州の該当機関にお問い合わせ下さい。

・ 検疫予約をした施設に鳥と必要な書類を持ち込みます。

到着地から検疫所までの移動は、民間業者または通関業者の利用をお勧めします。検疫所に到着後、鳥は特殊な隔離ケージへ移されます。(隔離ケージの様子は上記のサイトに写真が載っています)持参したキャリー等は、検疫所には保管できませんので、お持ち帰りください。

検疫期間

鳥は最低30日間、検疫を受けます。期間中は、検疫所職員が鳥の世話をします。検疫所内での病気の感染を防止するため、鳥はエアフィルター付きの特別隔離ケージで検疫期間を過ごします。餌と水は常に用意されています。鳥の中にオウム病キャリアがいる可能性があるため、薬用成分が少量含まれた餌を使用します。

検疫期間中、鳥は家禽伝染病の検査を受けます。もし鳥が感染していた場合には、米国への入国は拒否されます。その場合には、飼い主が、安楽死処分または自己負担にて帰国させるかのどちらかを選択できます。

※密輸入された鳥は病気に感染している可能性が

1972年に発生した飼い鳥のニューカッスル病は、米国へ密輸入された鳥から伝染したと考えられています。密輸入鳥は、病気の徴候を示していなくとも伝染病を保持していることがあるので、国内で飼われている鳥の健康にとって脅威となります。

飼鳥家はニューカッスル病の徴候を知っておく必要があるでしょう。オウムの仲間の場合、この病気に感染した鳥は突然死したり、震えなどの神経症的症状を見せた後急激に元気がなくなったりします。感染力が極めて高いため、新たに購入した鳥は、先住鳥とすぐに一緒にせず、最低1ヶ月は隔離した方が良いでしょう。飼っている鳥が突然死した場合は、即時獣医師または保健所へ通報して下さい。解剖する場合に備えて、死骸はビニール袋に入れて冷蔵保存して下さい。ニューカッスルウィルスは、ヒトの目の炎症の原因となる場合があるので、感染した鳥や感染した鳥の死骸を扱う際には注意して下さい。

自然保護局の規制

野生で捕獲された鳥の不法な売買は、絶滅の危機に瀕する種の個体数にとっても脅威となります。自然保護局は、1992年に成立した野鳥保護法(WBCA)により、ワシントン条約で保護されている種の輸入に関して、特別な規制を施行しています。オカメインコ、セキセイインコ以外のインコ・オウム類は全てこの対象となります。

こういった規制は、生息地における鳥類の保護を目的としていますが、ペットの鳥であっても以下のような形で野鳥保護法の規制対象となります。

・ ペットの鳥が米国から出国する前に、自然保護局よりサイテス輸出許可証を入手すること。

出国に際してサイテス輸出許可証を入手しておけば、帰国の際に野鳥保護法輸入許可証申請をせずに済みます。しかし米国に帰国する際に、滞在した国よりサイテス再輸出許可証を発行してもらう必要があります。

・ 米国外で入手したペット鳥を入国させるには、野鳥保護法輸入許可証が必要となる。

野鳥保護法輸入許可証の申請には、米国外に1年以上滞在していたということが必須条件となります。また入国させる事の出来るペット鳥の数は、1人当たり2羽までとなっています。またワシントン条約保護種の場合は、これに加えて、鳥を入手した国よりサイテス輸出許可証を発行してもらう必要があります。

サイテス・野鳥保護法許可証の申請、また鳥の輸出入に関する詳しい問い合わせは、
自然保護局Office of Management Authority
4401 N. Fairfax Dr., Room 420
Arlington, VA 22203
国内フリーダイヤル:1(800)358-2103
海外からは:(703)358-2104
まで。

自然保護局との協力のもと、農務省動植物衛生検査局は鳥の密輸入防止のため日夜努力していますが、毎年推計で約25,000羽が不法に国内へ持ち込まれています。鳥を購入する際は、信頼できるところから迎えるようにし、密輸入が疑われる場合には、動植物衛生検査局または自然保護局へ通報して下さい。

検疫免除

・ 飼い主と一緒に海外旅行をしただけの場合は、基本的に検疫や証明書の提出は免除となります。これは、米国で生まれた鳥にのみ適用され、事前の手続きが必要です。

海外へ鳥を一緒に連れて行く場合、出国前に必要とされる農務省、自然保護局発行の書類を入手します。特にサイテス種の場合には、これが絶対に必要ですので注意して下さい。まず農務省認定獣医師による健康診断を受け、健康証明書を発行してもらいます。その時に、入れ墨・足輪などにより識別できるようにし、識別番号を証明書に記入します。

※訳者注: 具体的な表現をしますと・・・
「実は私も、以前に同じことを計画したことがありまして、当時ロスに住んでいたので、ロサンゼルス空港の検疫所に「帰省に際して飼っているオカメインコを日本に連れて帰り、再度アメリカに入国する事は可能ですか」と問い合わせてみました。とても親切に手続きの仕方を教えていただきました。私自身は、結局実行することはありませんでしたが、以下が手続きの概要です:
1.まず、獣医さんによる健康診断を受け、健康証明書を発行してもらう。
2.その時に、個体識別のために足輪を装着してもらい、足輪の番号を健康証明書にも記載してもらう。
3.帰国の際、空港で検査官に健康診断を受ける。
4.帰国してから一定期間以内に、再度そこで健康診断を受ける。
概ねこんな感じです。ですが、これはあくまでも参考程度にし、まず↑のページにある全米6ヵ所の検疫所のうち、最寄りのところに詳しい手続きを問い合わせてください。再入国のための書類の入手、健康診断書を発行する獣医の指定、健康診断書の書式の確認、帰国の際の健康診断の予約など、細かい手続きがありますので、全て検疫所の指示に従って行ってください。」

海外に滞在する間、他の鳥から隔離してください。帰国の際、農務省動植物衛星検査局に健康診断の予約を取ってください。この健康診断は有料です。鳥は、上記の検疫所6ヶ所、または所定の健康診断が受けられる国際空港から入国できます。詳しい問い合わせは:
USDA-APHIS-VS
4700 River Rd.
Riverdale, MD 20737
(301)734-5097
まで。

・ 鳥がカナダから米国へ入国する場合にも、検疫免除となります。カナダは、米国と同様の輸入規制を敷き、動物公衆衛生事情も類似しているからです。

カナダから米国へ鳥を乗せて車で入国する場合は、農務省指定の入国検査所で健康診断を受けてください。その際、飼い主はその鳥を90日以上飼っており、他の鳥から隔離していること、その鳥が健康であることを宣誓する書類に署名します。

鳥がカナダから米国へ空路入国する場合は、農務省の指定する動植物空輸検査所のある空港または国際空港から入国できます。入国に際して健康診断が必要ですが、事前の予約と費用が必要です。

現在、入国出来る空港については
VC National Center for Import/Export
4700 River Rd.
Riverdale, MD 20737
(301)734-5097
まで。

注意:カナダから入国する鳥、米国生まれで飼い主と海外に滞在した鳥であっても、自然保護局による絶滅種保護法・野鳥保護法の規制対象となります。