A 大型インコは高価であるために、街の小鳥屋さんでは、あまり見かけないようです。
デパート、郊外の大型ペットショップ、専門店などから入手できます。愛鳥家雑誌『オールバード』には「譲ります」のコーナーなどもありますので、こうしたものを利用すれば安く良い鳥が入手できるかもしれません。
しかし大型インコは繊細な神経の持ち主なので、トレーナーの適切なアドバイスを受けないと元の飼い主を慕って、新しい家になつかない、というケースも多いようです。個人間の取引きにはこうしたリスクが多いので、初心者は避けたほうが無難でしょう。親切で知識豊富、そしてなによりも鳥が大好きで商売をしている、という経営者がいる店を探してください。
なお、「家族の一員」となる大型インコと「お見合い」もせずに通信販売で購入することはトラブルの元ですので勧めません。
A これはもう、千差万別です。その鳥の状態、馴れ具合、年齢、性別、ものまね能力・・・。また、店それぞれの考えもありますので、なかなか一般論は言えません。概ねの金額を示します。
コバタン=12万円〜30万円、タイハクオウム=15万円〜30万円、ヨウム=12万円〜35万円、モモイロインコ=25万円〜40万円、アオボウシインコ=20万円〜35万円、キエリボウシインコ=25万円〜40万円、ルリコンゴウ=25万円〜40万円・・・。
「え?そんなに高いの」と驚かれるのですが、家族を迎える感覚で考えてください。それに大型インコは長命で30年以上はザラですから、1年あたりの計算でいけば、犬や猫と比較してめちゃくちゃに高価であるとは言えません。
A 大型インコは性格が良く、飼い主が愛情を注げば成鳥でも十分馴れます。ただ若鳥を迎えたい人も多いでしょう。この場合、迎える時期は3月〜4月が最適です。セキセイやオカメなどでは春仔と秋仔の2期が店頭に並ぶ時期ですが、海外から輸入される大型インコは一年を通してショップにいます。しかし春に迎えるのが一番です。それは成長期の難しい時期を暖かい季節で過ごして欲しいからです。秋に迎えると試練の冬を生後浅い幼鳥として経験することになり、これは危険です。秋に迎えた場合は、特に保温や暖房に過保護なほど気をつかってあげてください。秋に輸入され、日本の冬を越し、春を迎えたコは丈夫です。
A これはその人と、その人の住む環境によります。それぞれの特徴はこちらを参照してください。一番問題となるのは「鳴き声」の大きさです。白色オウムやコンゴウインコは猛烈な声で叫びますので、住宅密集地では難しいでしょう。また、神経質で寂しがり屋さんの白色オウムは、遊ぶ時間がたっぷりとれる人でないと、鳥がノイローゼになってしまう恐れがあります。じっくり観察し、またお店の人や大型インコに詳しい人に相談して、無理なく家族として迎えられる、気に入った鳥を選びましょう。
ごく短絡的に言えば、おススメできるのはヨウム、モモイロインコ、ボウシインコ類(個体差大)が比較的飼いやすい、と言えるかもしれません。ただ、個体差が大きいのですから、それらでも、まったく叫ばないということはありません。
A 様々な種類のあるインコとつきあってくると、「他にどんな種類がいるのかな?」と気になるものです。そこで書店で鳥の図鑑を探すのですが、バードウォッチング用の野鳥の図鑑ばかりです。飼鳥の図鑑は洋書店や古書店でさがすことになってしまいます。ここでは比較的入手しやすいものを紹介します。
書名 | 著者 | 出版社 | 備 考 |
インコの飼い方 | 高木一嘉 | 成美堂出版 | 飼育書ですが、図鑑としてもポピュラーな37種が掲載されています。 |
決定版 ペットバード百科 | デビット ・ アルダートン |
誠文堂 新光社 |
欧米飼鳥界の権威者の飼育書。海外書の訳本なので必ずしも日本 での飼鳥とは異なりますが、美しい写真が素晴らしく、飼育方法の 解説も今までにない詳しく興味深いものです。 |
世界のオウムとインコ の図鑑 |
黒田長礼 | 講談社 | 日本で唯一の本格的オウム図鑑。600種以上を網羅しています。 絶版のため、古書店で3〜4万円します。 |
標準原色図鑑全集 18 飼鳥・家畜 |
宇田川竜男 | 保育社 | 飼鳥295種が掲載されています。家畜はほとんどなく、飼鳥図鑑。 多くの古書店で1000円程度で入手できます。 新本でもあることが判明。2621円です。 |
原色飼鳥大鑑 1〜3 | 黒田長久監修 ・川尻和夫著 |
ペットライフ社 | 写真が美しく、一般的な飼鳥はほとんど網羅されています。現在 販売されている本の中では一番のおススメ本でしょう。ただし高価。 |
THE ATLAS OF PARROTS OF THE WORLD |
David Alderton |
t.f.h | ともかく大きな本です。美しい手描きのプレート式図版がびっくり。 それにしても大きい・・・。4万円くらいします。 |
PARROTS IN AVICULTURE | Rosemary Low |
The World Parrot Trust |
約250種の大型インコの写真と明瞭簡潔な説明がわかりやすい本。 ぜひ1冊入手すべきでしょう。1万2千円程度です。 |
洋書の場合、英名が和名で何と呼ぶのかわからず、使いこなせないこともあります。ここでは「PARROTS
IN AVICULTURE」を例にとり、英名・和名・学名対照表を用意しました。参考にしてみてください。ココをクリックしてください。
また、画期的な「WORLD
BIRD INDEX」という素晴らしい検索システムがあります。感謝感激モノです。
A まず一般的な「インコの飼い方」のような本を買ってきてください。病鳥や老鳥の見分け方が載っているでしょうから、それを参考にしてください。老若の見分けの基本は足のウロコのツヤです。大型インコの場合、こうした一般的な事柄だけでなく、相性や知的能力などについて慎重に選ぶ必要があります。何十年もつきあっていく「家族の一員」選びなのですから衝動買いは絶対にやめましょう。またできるだけ足環を付けているコを選んでください。人工繁殖個体の証拠です。
人が寄ってくると奥からイソイソと出てきて、「撫でて」と小首をかしげてくるコならばフレンドリー。逃げるコや攻撃的なコは避けましょう。話し掛けたときに、じっと聞き入るコ、目の虹彩を開閉するコ、さらに聞かせる歌を急に変えたときに表情が変化するコなどは、ものまね上手になる可能性大です。ただし個体差は大きいので、絶対とは言えません。
大型インコの最大の問題点は「鳴き声の大きさ」です。夕方から閉店間際の時間にショップ出かけ、そのコの「別の顔」を知っておくことも大切なことです。「こんなはずではなかった」と思わないように・・・。
初心者が大型インコを迎える場合、完全に一人餌に切り替わっているコをオススメします。差し餌から育てると当然よく馴れますが、初心者の方には差し餌は難しい面があります。一番タイミング的に良いのは、日本で冬を越した6ヶ月くらいのコを晩春に迎えるパターンです。手間・病気・体力、すべての面で非常に楽です。生後6ヶ月でも十分馴れます。大丈夫です。ペットショップでスタッフに可愛がられているコならば申し分ありません。
A ご存知のように、インコ(オウム目の鳥)はセキセイとオカメ、コザクラを除いて、すべてワシントン条約の取引制限対象になっています。これらの鳥を日本国内に持ち込むには、条約で定めた機関の発行する書類(輸出国の輸出許可書や通産省の輸入割当証明書等)が必要です。ワシントン条約では、絶滅のおそれのある動植物約35,000種を附属書T〜Vに分類してそれぞれの保護の必要性に応じて規制を行っています。
[附属書T]絶滅のおそれのある種で、国際取引による影響を受ているか受けることのある種が掲げられており、商業を目的とした取引は禁止されています。オオバタン、コバタン、ニョオウインコ、キエリボウシインコなど。人工繁殖個体の場合、第3世代から輸出可能になりますが、その手続きは非常に煩雑です。取引に際しては輸入国の輸入許可及び輸出国の輸出許可が必要となります。
[附属書U]国際取引を規制しないと絶滅の恐れのある種が掲げられており、商業目的の取引はできますが輸出国政府が発行する輸出許可書または再輸出証明書が必要です。セキセイ・オカメ・コザクラ以外のオウム目のうちT類以外の鳥全種が対象です。
[附属書V]いづれかの締約国が自国内の動植物の保護のために、他の締約国の協力が必要な種が掲げられています。 国際取引には原産地証明書などが必要です。
オウム目の鳥の規制状況
付属書Tの種 (一部) |
キボウシインコ、キエリボウシインコ、アカオボウシインコ、オウボウシインコ、ミカドボウシインコ、サクラボウシインコ、アカビタイボウシインコ、スミレコンゴウインコ属、コンゴウインコ(スカーレット)、ミドリコンゴウインコ、ニョオウインコ、オオバタン、コバタン、アオコンゴウ、ヤクシャインコ、フクロウオウム、ヤシオウムなど |
付属書Uの種 | 上下以外のすべてのオウム目の鳥種(一般的な鳥種すべて) ボタン、ヨウム、キバタン、モモイロ、ルリコンゴウ、アオボウシ、コガネメキシコ、クロカミ、オキナ、ワカケホンセイ、クサインコ類、アケボノ属などなど・・・ |
規制外の種 | セキセイインコ、オカメインコの2種のみ(2005/1よりコザクラインコも規制対象でなくなりました) |
多くの野生動植物が絶滅の危機に直面しているにもかかわらず、経済的利益を求めたり、個人のエゴイズムを満足させるために、野生生物の売買は世界的にふえる傾向にあります。ワシントン条約は、国際取引によって生存を脅かされている、または、絶滅してしまうおそれのある野生動植物を保護すべく生まれた国際条約で、1975年に発効しました。 日本は1980年に同条約を批准し、60番目の締約国となりました。世界の100を超える諸国が加盟しており、同条約は通称サイテス(CITES)と呼ばれています。
我が国もこの条約に基づいて動植物の持込みを 厳しく規制しています。これに違反して輸入しようとした場合、生体が没収されるだけでなく、国内法「外国為替及び外国貿易管理法」によって罰せられます。
ショップで購入する時は足環のある人工繁殖個体を選びましょう。足環をしていない場合は輸入に関わる証明書の写しを見せてもらってください。あまりにも他店より安い場合など、ヤミルートでの不法輸入の可能性もないではありません。
密輸品を入手しないことは当然ですが、意外な盲点として気を付けなくてはならないのは、海外で合法的に入手したインコを帰国する際に連れて帰る時です。大型インコはもちろん、コザクラやボタンインコですら、正式な書類を準備して、輸入の許可を受けなければなりません。これがかなり厳しい条件で、コザクラを買ったときにいちいち輸出許可書のことまで考えていないのが実状でしょう。海外で鳥を買う予定のある方は、その鳥の位置づけを知り、あらかじめ関係諸機関(税関など)に問い合わせておきましょう。
現在のところワシントン条約には「特例」として、海外旅行など一過性でなく、入手してから1年以上を経て「個人の所有物」と確定したものは対象にならないのです。この場合、通年居住証明や購入時のペットショップの領収書をもとに税関職員の判断で持ち込みが許可されます。領収書は保管しておきましょう。ショップに記録があれば販売証明書を発行してくれることもあります。このあと獣医師の「健康証明書」が必要になることもあるそうです。「特例」による持ち込みは比較的簡単なようです。詳しくお知りになりたい方は
経済産業省貿易局輸入課野生動植物管理班
経済産業省貿易局農水産室動植物貿易審査班(生きている物)
最寄の税関(「特例」利用の場合)
まで問い合わせておきましょう(海外ならば在外日本公館に問い合わせてください)。
具体的な手続き方法の詳細についてはココをご覧ください。
なお、我が国のワシントン条約に係る輸出入手続きを掲載した通産省公報特集号が通商産業調査会(電話03−3535−4881)から発行されていますので、一読しておくのも良いでしょう。
輸入にはワシントン条約以外にも農林水産省所管の動物検疫所の検疫がありますが、ニワトリ・アヒル以外の鳥については、「輸入検疫を受ける必要がありますが、到着時の検査で異常がなければ検疫は終了します。異常があった場合は、けい留検査が必要となります」(動物検疫所HPによる)という程度のもので、ほとんど問題なくクリアできます。また、西ナイル熱など人獣共通感染症予防のため、アメリカ合衆国など感染国からの輸入には、厚生労働省による検疫も実施されます。
結論から言うとほとんど難しいでしょう。たまたま入国時の検査官が甘い場合は別ですが、通常はワシントン条約に則って、輸出証明書と輸入許可証が必要となります。
サイテスT類種については、アメリカの場合は日本側の輸入許可証があって初めて輸出許可証を出しますが、日本はアメリカ側の輸出許可証がないと輸入許可証を出さない、という不思議な関係にあるため、事実上輸入不可能です。ヨーロッパなどではこの点、日本側の輸入許可が無くても輸出許可を出してくれるので、日本国通産省への輸入許可書交付申請と同時進行できますから比較的容易に輸入可能ですが、面倒なことに変わりがありません。
サイテスU類種については比較的容易になりますが、輸入許可証の申請から交付までは1ヶ月は考えなくてはなりませんので、「海外旅行のおみやげに」というのは事実上不可能であると思います。上記「家族となった鳥」とは事情が異なるわけですが、密輸を防ぐためにはやむを得ないことだと思います。
サイテスU類以上であるセキセイ・オカメ以外のインコを連れて海外に行く場合ですが、日本への入国とは比べものにもならないほど困難です。その鳥が人工繁殖であることを示す繁殖証明書(獣医師や有名ブリーダーなどが環境庁への登録に基づき発行)、個体が識別できる刻印のある足環の装着などが、まず前提条件として必要となります。その鳥が海外からブリーディング鳥として輸入されたものならば、輸出入の証明書も必要ですが、これはほとんどのショップが写しの写しさえ渡してくれません。輸入業者の卸し段階でうやむやになってしまうのです。また個人巣引きの地子コザクラなどの場合に出生証明を出してくれる所は、まず考えられないのではないでしょうか。
環境庁のお墨付きの繁殖証明書など全てを満たしていれば「輸出許可証」交付を通産省に申請しますが、1ヶ月はかかると考えてください。この輸出許可証があれば入国先の「輸入許可書」交付申請ができます。何がどう必要なのかは、国内の当該外国公館に問い合わせてください。国によってかなり対応が異なります。アメリカはかつて密輸入大国であったため、非常に厳しい手続きが要求されます。
唯一の希望はサイテス条文の「特例」を利用する方法ですので税関に相談してください。ただし相手国の輸入税関が「特例」を認めてくれるかどうかはその国の事情によるようで、アメリカの場合は困難が大きいようです。
忘れていけないのは、日本では事実上フリーパスの検疫です。海外では自国の鳥を保護するために検疫があることが常識です。アメリカの場合、どこの州(ハワイでも)に入国するに際してもカリフォルニアなどの特定の検疫所に1ヶ月間隔離されます。世界での常識なのですが日本との落差が大きいので、かなり面食らうことだと思います。
サイテスU類の鳥は通常、輸入証明書の写しもなしに売られています。最悪の場合は密輸個体も販売されている可能性もあります。これは、密輸自体はもちろん犯罪ですが、持ち込んだ密輸個体を国内で売る事自体を禁止した法律がないためです。
しかしT類はそうはいきません。「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(種の保存法)」で罰せられるのです。しかも注意すべきは売買した場合、ショップだけでなく、購入した人も処罰の対象である事です。
ブリーディング個体のT類種は「種の保存法」では事実上U類的に扱われているようですので流通可能なのですが、一般的に環境大臣に届け出て登録を受ける必要があります。様々な局面でこの登録が要件とされますので事実上義務です。特にショップの場合、販売目的で陳列するときには登録証を備え付けなければならないとされています。さらにショップ(T類種引き渡し業務事業者)そのものの環境大臣への登録も必要です。これを怠ると重罰に処せられます。
また生体引き渡しに際しては登録票も添付されます。購入者は30日以内に環境大臣に届け出ることが義務づけられています。
ともあれこうした煩雑さがありますので、興味本位で希少な珍種を求めることは厳に慎むべきと思います。
A 現在、大型インコのほとんどがワシントン条約の規制を受けて、厳重な商取引制限の対象となっています。「荒鳥」は「野生捕獲鳥」という意味もありますが、この場合は「人工育雛(いくすう)」でない個体という意味で「荒鳥」と呼んでいるのです。「人工育雛」(ハンドフィーディング)で育った個体は「刷り込み」(インプリンティング)がなされ、人間を同類と認識して恐怖を覚えません。いわゆる「手乗り」状態になります。飼育下であっても、親鳥が巣立ちまで育てた個体は人間を恐れるようになり、人間と距離をおくようになります。大型インコで流通している「荒鳥」は、通常こうした鳥のことを指しているのです。
ただしサイテスU類のインコの野生捕獲鳥については、輸出許可証が有れば商業取引は可能ですので密輸とは言えません。しかし私たちは、現地でのインコの激減という事実を前にして、こうした個体には手を出すことは避けたいものです。
A 大型インコはセキセイやオカメのようには簡単にヒナをとることはできません。その理由は3つあります。まず♂♀の判断が難しいことです。オオハナインコのように「♂は緑♀は真紅と青」と、まったく色が違ったり、白色オウムのいくつかの種やモモイロインコのように目の虹彩が「♂は黒♀は赤茶」のように色で判定できる場合はいいのですが、ボウシインコやヨウム、その他多くの大型インコは外見で雌雄を判定できないのです。アメリカなどではDNA鑑定で判定しているようですが、日本ではそういう検査をする機関がありません。次の難しい点はペアリングの相性の気難しさです。セキセイなどでも何度もお見合いさせますが、知的能力に優れた大型インコは、それ以上に相手選びが大変です。そうどこにでも相手がいるわけではないので、相当苦労することになると思います。最後の困難な点は、禽舎(鳥小屋)が確保できにくい、ということです。鳥種にもよりますが、3帖ぐらいの広さの禽舎が必要になります。都会ではなかなか実現できないのではないかと思います。こうしたことから、初心者や条件の揃わない人の場合は巣引き(ブリーディング)は避けたほうが良いと思います。
目の前のコを可愛がることに、まず全力投球してください。
なお、大型インコの性的成熟期は鳥種・個体差もありますが、2〜7歳、おおむね4〜6歳と言われます。
鳥種 | 繁殖期 | 産卵数/孵化数 | 孵化日数 | 羽揃日数 | 自然育雛日数 | 人工育雛日数 | 性的成熟期 |
セキセイ | 1年中 | 4-9/4-8 | 16 | 22-26 | 30-40 | 30 | 6ヶ月 |
オカメ | 1年中 | 3-7/4-5 | 18 | 32-38 | 47-52 | 42-49 | 6ヶ月 |
ボタン | 1年中 | 2-6/3-5 | 18 | 30-35 | 45-55 | 40-45 | 6ヶ月 |
メキシコ | 春〜夏 | 2-8/2-6 | 21-23 | 35-40 | 45-70 | 60 | 2−3年 |
ボウシ | 春〜夏 | 2-4/2 | 23-24 | 45-60 | 90-120 | 75-90 | 4−6年 |
ヨウム | 春〜夏 | 2-4/2-4 | 24-26 | 50-65 | 100-120 | 75-90 | 4−6年 |
モモイロ | 初春〜夏 | 2-4/2-3 | 24 | 45-55 | 90-120 | 80-90 | 1年 |
オオハナ | 1年中 | 1-2/1-2 | 26 | 72-80 | 120-150 | 100-110 | 4年 |
中型バタン | 初春〜夏 | 2-4/2 | 23-25 | 45-60 | 90-120 | 75-100 | 3−4年 |
大型コンゴウ | 初春〜夏 | 2-4/2-3 | 26-28 | 70-80 | 120-150 | 95-120 | 5−7年 |
羽揃日数=若鳥が巣立つ時期、
自然育雛日数=飼育下で若鳥が親の世話を拒絶する時期、
人工育雛日数=差し餌から一人餌に切り替わる時期
A 大型鳥飼育の初心者はできるだけ一人餌を食べられるようになった若鳥を迎えるべきですが、差し餌で育てると馴れ方も格別ですので、場合によっては差し餌段階のヒナを迎えることもあるでしょう。ただし生後1ヶ月半以前の幼雛は危険が大きすぎますので、オススメできません。ここでは生後1ヶ月半〜2ヶ月のヒナを前提に説明します。
収納容器
大型インコのヒナの収容容器には温度管理のしやすいアクリル水槽などが勧められます。底材にはさまざまな意見がありますが、鋸屑はそ嚢に溜まったり呼吸障害を起こす可能性がありのでオススメできません。またウッドチップも避けたほうが良いとされます。ティッシュペーパーはすべりやすく、ペットシーツは高分子吸収材が心配です。結局新聞紙がもっとも安価で効率よく、始末も楽ということで推奨できるでしょう。温度は27℃〜28℃を保ちます。生後2ヶ月になればケージで低い位置に止まり木を付けます。通常の高さでは止まり木から下りられなくなってしまうこともあります。通常の位置に止まり木をつけるのは、2ヶ月半以降です。
食餌
給餌はフォーミュラー3などのパウダー餌が一番です。余計な栄養剤の添加をする必要がありません。ただし、成鳥時に青菜好きな鳥にするためにも、少量の青菜ピューレ(茹でたコマツナを裏ごししたもの)や有機栽培バナナピューレを混ぜると良いでしょう。給餌には両外側を曲げてこぼれにくくしたスプーン、シリンジ(注射器型フードポンプ、必ずゴムチューブを30cmぐらいの長さものと交換します)、清潔にした手などが使用されます。シリンジの使用はコツが必要ですので、スプーンを使用すると良いでしょう。スプーンのほうが一人餌への切り替えが容易ともいわれます。
フォーミュラー3の使用法は添付のパンフレットを参照してください。生後5週目目以降のフォーミュラーの濃度は3〜4倍に薄めたドロドロ状態(ソフトクリームの柔らかさ)です。さらに2ヶ月以降は団子状に丸めて食べせるようにしますと、一人餌(ペレット)への以降がスムーズになるようです。給餌回数は生後1ヶ月半でしたら朝・昼・夕・夜の3回あるいは夕を省略して3回、2ヶ月ならば朝・昼・夜の3回あるいは朝・夜2回で、給餌量は常に「腹5〜6分」です。満腹にさせるとそ嚢に溜まって「食滞」を起こして以後の食餌を食べなくなったり嘔吐したりしてしまいます。これはオカメインコ以下のサイズのインコとは大きく違う点ですので注意が必要です。
流動餌はスプーンで与えますができるだけ真上を向かせて食べさせてください。インコの気管入口は下の奥の部分にありますので、誤入しやすいので注意してください。食パンを小さくちぎってフォーミュラーを塗って、手で食べさせる方法もありますが、この場合も真上からあげます。餌を真上からあげますとこのとき顔を上下させて「アグアグアグ」としますが、この際は声門が閉じられますので気管への誤入を防止することができます。食餌の温度は38〜40℃が適当で、これ以下の場合は食べないことがあります。また45℃以上では熱すぎて食道を傷める可能性があります。
一人餌へ
生後2ヶ月半、フォーミュラー団子時代になれば、餌入れには細かく砕いたペレットを入れておきます。そして団子差し餌は朝・夕の2回とし、フンの具合を確認しながらその量も減らし、一人餌への切り替えを促進します。このあたりで注意すべきことは朝・毎食前後・夜の毎回体重を測定し、餌の摂取量を確認することです。また底に敷く新聞紙は朝夕取り替えます。これは衛生面もさることながら、どれだけ食べて吸収されているか、フンの量と質はどうか確認するために大切なことです。なおヒナのフンは緑褐色の棒状または渦巻き状で、白い部分(尿)が適度に混じっています。その周囲に透明なオシッコのような水が見られることがありますがこれは下痢ではなく「水分過多便」と言って、水分の多い食餌を取っているヒナにありがちで、それほど心配する必要はありません。
離乳(一人餌)
大型インコの離乳時期はセキセイインコなどと比べるとずっと遅いものです。
メキシコインコ=50〜60日、ボウシインコ・中型バタン・ヨウム=75〜90日、大型バタン・コンゴウ=95〜120日
と言われています。これよりさらに1ヶ月以上長くなることもあります。
フォーミュラー団子が少なくなるにつれ、昼間いたずらしながらペレットを食べるでしょう。この時期のペレットはタンパク質含有量の高い「ブリーダータイプ」を与えてください。成鳥になるまではブリーダータイプをあげてください。最近では大型インコの育雛用に脂肪分を通常レベルまで高めた「ブリーダー・ハイエネルギータイプ」も市販されていますので、これが望ましいと思います。また、手からもペレットをあげましょう。何度も下へこぼしてしまうでしょうが、根気よく続けてください。この頃から水入れに少量の水を入れて飲ませてあげます。あまり多く飲んで多尿するときは、与える水を減らす必要があるでしょう。大型インコは比較的スムーズに離乳に成功すると思います。ポイントは「練りフォーミュラー→フォーミュラー団子→ペレット」の段階を踏むことです。
離乳時には一時的に体重が10%程度減少します。離乳前には鳥は通常余分の体重を保持しており、これがなくなると成鳥らしい体型になるのです。下表を見ると日齢55日前後で体重減少が見られます。体重減少は大型インコの場合は15〜20%でも耐えることができますが、これ以下になった場合は離乳を延期し、必要に応じて信頼できる獣医師の診断を仰ぎましょう。
離乳が完了後、はじめてケージから出したり、手乗りのレッスンを始めることになります。
日齢 | オオキボウシ | アオボウシ | ヨウム | タイハク | モモイロ | オオハナ | ルリコンゴウ |
0 | 14-17 | 14-15 | 13-16 | 15-16 | 9-11 | 14-16 | 19-25 |
5 | 30-45 | 35-45 | 25-35 | 35-40 | 30-35 | 35-40 | 45-60 |
10 | 85-100 | 80-95 | 60-65 | 85-90 | 55-60 | 70-75 | 120-160 |
15 | 160-195 | 150-170 | 120-135 | 170-180 | 115-125 | 120-150 | 240-280 |
20 | 260-300 | 225-245 | 180-210 | 240-265 | 190-205 | 180-215 | 365-400 |
25 | 360-405 | 231-325 | 280-295 | 340-360 | 250-275 | 250-295 | 510-550 |
30 | 440-480 | 360-380 | 320-360 | 440-500 | 320-355 | 320-350 | 645-685 |
35 | 450-520 | 370-390 | 340-380 | 510-600 | 350-375 | 340-380 | 750-800 |
40 | 470-550 | 380-420 | 380-410 | 540-630 | 355-385 | 390-420 | 820-930 |
45 | 500-570 | 400-440 | 430-480 | 590-680 | 365-400 | 410-450 | 950-1100 |
50 | 510-550 | 400-435 | 450-500 | 610-730 | 375-410 | 420-440 | 1000-1150 |
55 | 490-520 | 400-420 | 460-510 | 670-750 | 360-390 | 430-410 | 1060-1150 |
60 | 480-510 | 390-410 | 480-520 | 700-780 | 360-375 | 390-400 | 950-1050 |
65 | 460-500 | 370-390 | 460-510 | 720-760 | 350-360 | 380-395 | 850-1000 |
成鳥 | 463-695 | 361-485 | 370-534 | 481-713 | 317-515 | 347-512 | 889-1313 |
成鳥標準 | 568 | 432 | 554 | 577 | 403 | 432 | 1001 |
一般向け「小鳥の飼い方」ではなく、専門的な栄養学や病気の知識を得たい場合、専門書を参照する必要があります。ただし飼鳥を対象とした専門書は非常に少ない現状です。日本で「獣医学」といえば「産業動物(牛やブタ、馬など)」や犬猫が中心で、飼鳥はごくわずかしか記載されていません。ただ「家禽(鶏やアヒル、鴨など)」についてはある程度記述がありますので、同じ鳥類ということで参考にはなると思います。なお、高価な本が多いので図書館で閲覧するのが良いでしょう。
専門書一覧はこちら。鳥の獣医学に関しては「愛玩鳥の医学」と「鳥類の内科および外科臨床」が双璧です。
A 愛鳥を写真に撮りたいのは人情というもので、あまり長時間でなく、ストレスにならない程度でしたら構わないでしょう。ただし、フラッシュの連用は避けてください(特に室内では)。人間と違って「写真を撮られるぞ」と意識するわけではないので、虹彩の調整が追いつかず、網膜を傷めてしまう可能性があるそうです。最近のフィルムは感度が高いので、フラッシュなしで撮影しても写りますし、むしろ自然な羽色が再現できると思います。なお、このHPの写真はデジタルカメラを使用していますが、デジカメのオート機能は的確ですのでフラッシュは使用していません。
A 欧米と比べて日本での大型インコの情報や飼養方法の研究は50年以上遅れているといいます。少しでも長く元気に、愛鳥と楽しく暮らしたいと願うと、一般的な「小鳥の飼い方」の本では物足りなくなってきます。そこで深く勉強したいと思ったときは、サークルや飼鳥クラブに入って先輩から話しを聞く、同人誌や最近流行の「鳥マンガ」から実際的な知識を得る(あくまでもマンガですので、情報を鵜呑みにしない方が賢明ですが)、インターネットの「鳥メーリングリスト」で意見交換するなどさまざまな方法が考えられます。その中で獣医師を目指すわけではないけれども、体系的に基礎知識を勉強したい場合は、(社)日本愛玩動物協会「ペットケアアドバイザー(愛玩動物飼養管理士)」の資格取得の勉強が良いでしょう。資格自体は特に意味はありませんが、専門書などで勉強するきっかけになります。半年間の通信教育と筆記試験があります。2級1級指導級があり、まず2級から取得します。犬猫小鳥から昆虫まで広範囲の飼養方法と法律を学び、動物関係の人的
ネットワークが築けることが大きな魅力です。
A 日本での飼鳥雑誌と言えばご存知「ALL−BIRD」のみですが、欧米では様々な雑誌が刊行されています。非常に魅力的な内容で毎月読むのが楽しくなるものばかりです。
その中でも「おしゃべり鳥」としての大型インコを中心とした雑誌がこの「Bird−Talk」です。大型インコとの快適な暮らし方、医・食・住について毎月特集を組み、読み応えのある内容です。また広告をみるだけでも楽しく、飼鳥先進国のグッズの充実ぶりがうかがいしれます。
一般の洋書店ではまず販売されていません。また直接購入申込みもできるのですが、アメリカとの送金手続きなどを考えると、素人にはちょっと厄介です。
大手の書店(東京では八重洲ブックセンターなど)で相談すれば年間購読契約ならば輸入してくれることもあるようなので、ぜひ相談してみてください。またペットショップの「CAP!」でも販売しています。ただしすぐに売り切れてしまうようですので、定期購読したい場合は相談してみてください。地方への発送にも応じてくれると思いますが、送料や手数料の加算はやむを得ないことと承知してくだをさい。
A しつけは生後半年までが勝負です。噛み癖のついてしまった成鳥を矯正することは不可能とは言えないまでも、かなり忍耐が必要になるでしょう。また無理な矯正はストレスとなって、さらに重大な問題行動に結びつくおそれがあります。
若鳥の噛み癖防止のしつけは、まず「噛ませない」ことが先決です。噛みそうになったら歌を歌ったり、オモチャを与えたりして気をそらします。しつけや訓練は「愛情ある信頼感」と「遊び心」が不可欠です。
A 手乗りとの暮らしが楽しくなってくると、「家族」を増やしたくなってくるのが人情というもの。「大勢で暮らせば楽しいだろうなぁ」と考えるのは、それだけ現状の手乗り鳥との暮らしを満喫している証拠でもあります。
ただ「明るい家族計画」を考えずに、衝動的に新しい家族を迎えるのは決して望ましいことではありません。では、どのような点に注意すれば「家族」を増やせるのでしょうか。
同種の鳥を増やす
ヨウムがかわいいから次もヨウム、といったように同じ種の鳥を増やすことはよくあるケースです。それも「大勢のほうが楽しいから」という理由もあれば「ペアを作って巣引きさせたい」という理由からもあるでしょう。巣引き目的についてはともかく、「楽しいから」のほうは「ちょっと待った!」です。なぜかというと、
(1)相性が悪いとケンカをはじめて流血沙汰にもなる
(2)相性が良いと鳥同士が仲良くなってヒトとの関係が冷めてしまう
(3)新しい鳥が馴れると、先住鳥がヤキモチを妬いて問題行動に走る
というようなことが起きるからです。もちろん絶対とは言えません。先住鳥の様子を見習って、新しい鳥が一緒にヒト大好きの手乗り鳥になってくれることも、またよくあるケースです。しかし、この3つの危険性があることを十分承知した上で、新しい同種「家族」を迎える決心をしてください。 2羽程度ならばそれほど重大な問題にならないかも知れません。しかしボタンやコザクラといった「ラブバード」は二人の世界にこもりがちで、ヒトはただその姿を見て微笑むのみ、といったケースがあります。 3〜4羽となると、さらに交友関係図が複雑になってきます。個体の性格差がはっきりと現れ、馴れる鳥逃げる鳥、さまざまな個性を楽しめるでしょう。ヒトは右往左往するばかりに・・・。 5羽以上になってしまうと、家中がバードサンクチュアリー状態。あっちでラブラブ、こっちでバトルロイヤル、床はフンだらけ・・・。よほど鳥に対して寛容な家族でないと、ちょっと難しいことになると思います。
違う種の鳥を増やす
種が違っても近縁ですと同種同様の関係になる恐れがあります。かけはなれた種、例えば文鳥とセキセイとオカメ、ヨウムなどを同居させる場合ですと、案外問題なく可能なこともあります。ただし同時放鳥は事故の元です。ケージも当然別々です。それぞれの時間を決めてえこひいきなく遊べば、ヤキモチ問題もそうは深刻になりません。ただ、鳥種の研究は十分おこなってください。憶病なオカメやヨウムをやんちゃなコザクラやボウシインコと同居させると、何かの拍子に出くわしたとたんに悲しい事件が発生する可能性があります。大型で羽切りをしている場合は飼い主が制御できますので同時に遊べますが、そうした場合以外は難しいと考えた方が良いでしょう。少しずつ慣らしてから、十分に全員を掌握可能なケースのみ同時放鳥が可能になります。 なお、小さな鳥にとって大型鳥は「危険物」です。文鳥が大型インコのケージに止まった次の瞬間に片脚がなくなっていた、というようなことが起こり得ます。
*コレクション的飼い方はやめましょう
大型インコは美しく、個性豊か、しかも高価でステータスシンボルにもなるため、「コレクション的飼い方」をする方もいます。しかし、これは決して望ましいことではないと思います。誤解の無いように付け加えますと、ただ単に数や種類を増やすことを批判しているのではありません。私の考える「コレクション的飼い方」とは、「入手」することが主目的で、ただ単に身近に珍種をおきたい、鳥仲間に自慢したい、という発想で入手する人たちです。残念なことに、こうした人は案外多いものです。入手して、しばらく自慢して回れば所期の目的は果たされたということで、ただ餌をやるだけの「生かしているだけ」、いや、「死なさないだけ」の飼い方をされるケースが見受けられるのです。種の保存、鳥の気持ち、人間としてのいたわりの心、すべてが欠落している行為であると思います。
これに対して、正反対の位置にある飼養をされている方もいらっしゃいます。鳥たちの個性を尊重し、いかに楽しくみんなで暮らしていくかを常に考え、病鳥が出たら献身的に看護し、家族全員で一致団結、楽しく暮らしていらっしゃるのです。「死なさないだけ」の飼養とは全然異なる、「楽しい大家族」としての暮らし方だと思います。
たしかに数が多くなると愛情の分散の問題は考えられます。しかし、人間でも一人っ子が常に幸せで、兄弟10人の家庭がいつも不幸かと言うと、決してそんなことはありません。むしろ助け合ったり、工夫したりして楽しく暮らしているのではないでしょうか。要はすべての鳥たちへ平等な「愛情」と「感謝」の気持ちを持てる範囲で家族を増やして欲しいと思います。
違う動物を増やす
犬や猫、ハムスターにフェレットなどの小動物を迎えることは大変なリスクを背負うことになります。犬猫フェレットはその名も恐ろしい「食肉目」の動物です。ハムスターは「齧歯目」ですが、これは「カジる」ということ。その対象には鳥も含まれてしまうのです。脚をカジられた、などという事故は意外に多いものです。 猫やフェレットが危険なのはご存じのとおりで、むしろ天敵です。犬はおとなしい個体ならば同居も絶対不可能ではありませんが、犬が何かに興奮したとき、駆け出したはずみに鳥を踏みつけて・・・という危険があることは確かです。それから犬は独特の忠実さでヒトに馴れますから、その分鳥に対する愛情が減少することも心配です。愛情問題も自信があり、常に制御可能な状態にする覚悟がなければ、犬であっても歓迎できない存在です。
ヒトの家族を増やす
つまりは赤ちゃん誕生です。新生児から満1才ぐらいまではそれほど問題はないでしょう。鳥が危害を加えることもそうは考えられません。ただ心配するのは犬同様に愛情が赤ちゃんに傾きすぎてしまうことです。鳥と遊んでいても赤ちゃんが泣くとみんなそっちへ行ってしまう。これは手乗り鳥にとっては悲しいことです。赤ちゃんがいるときは、いつもより鳥と遊んであげて、「赤ちゃんがいると楽しい」と鳥が感じてくれるようにしなければかわいそうです。これは鳥の身になって考えれば理解できることでしょう。
1才以上になると、子供も鳥も危険です。絶対に両者だけにしないこと。大人の目の届く範囲でしか接触させないことが原則です。小さな鳥は子供に握り込まれてしまったり、場合によっては口の中に・・・。大きな鳥は尾羽をつかまれて、怒り狂って猛反撃、子供の手にはVの字の傷が点々と・・・。考えただけで恐ろしいことになります。大人の十分な監視の元で、同居が可能になります。
4〜5才にもなればこどもは分別が付いてきます。大人が鳥との接し方、心を込めて愛情を注ぐことの素晴らしさを身をもって示せば、自分より小さな生き物に対する優しい心が発達することでしょう。これはとても素晴らしいことです。もちろん大人が十分注意して両者を掌握していなければならないのは当然ですが、単に「あれダメこれダメ」ではなく「こうしたら鳥さんが喜ぶね」「ああしたら鳥さんが怒るよね」と、きちんと教えることはとても大切なことですし、それでこそ本当に鳥が「家族」になったことになるでしょう。
A 鳥との暮らしの楽しさを知ると、どうしても家族が増えてしまうことになりがちです。環境面で支障がなく、すべての鳥たちに変らぬ愛情を公平にかける自信があるのでしたら、大いに結構なことだと思います。ポイントは「個性・キャラクターの異なる鳥種を選ぶ」ことが良いでしょう。ヨウムとボウシインコは同じおしゃべり鳥でも「臆病者」「ラテン系イケイケ鳥」と、性格はまるで違います。こうしたキャラクターの異なる鳥種を選ぶと、すべての鳥の個性に応じて平等な愛情がかけられると思います。
ここで考えなければならないのは「検疫」と「嫉妬」の問題です。特に知能が高く愛情も豊かな大型インコでは、新しい家族への嫉妬は無視できません。大切な親であり恋人である飼い主を奪われたように思ってしまうのです。これを防ぐためには物事を急がないことが肝心です。新しい鳥を迎える順序は次のようになるでしょう。
ケージの物理的位置 | ケージ越しお見合い | 両手の上での接近 | 止まり木の共有 |
こうした試行錯誤の結果、新しい「家族」と認めてもらえるようになります。決してあせってはいけません。またこの例はあくまでも参考に過ぎません。強力な破壊力を持つ大型インコですから、非常に注意してゆっくりと進めてください。なお、中型以下の鳥で羽を切っていない鳥の場合、よほど関係が良好で飼い主にも自信がある場合を除いて同時放鳥は避けたほうが無難です。大型の一撃は小型にとっては致命傷になる恐れもあるからです。
A 飼鳥の世界は歴史が古いため、さまざまな専門用語があります。また人によって店によって、さまざまな言い回しや使い方の相違がありますので、なかなか統一しにくいのですが、標準と思われるものをコチラで説明しています。
A 昔から海賊の船長が肩にオウムを乗せている図は有名ですし、映画「ビルマの竪琴」でも水島上等兵が肩にインコを乗せていました。インコとヒトの仲の良さの象徴のような「肩乗せ」ですが、欧米では一般に「好ましくない行為」とされています。その理由としては次のようなものがあります。
エジプシャングリップ |
こうしたことから、制御不能な「肩乗せ」はやはり危険なようです。乗せる場合も鳥が自分勝手に登っていくことは禁止し、ヒトが許可を与えたときのみ乗せる、などということが推奨されています。一番安全な鳥の止まらせ方は、「エジプシャングリップ」と呼ばれる、親指を折った空手チョップ型の手の上に乗せる方法です。ともかく危険のない方法でスキンシップをしてあげましょう。大型とかぎらず、放鳥時に目を離すこと、制御不能な状態になることは禁物です。
さらに、どうしても肩に乗せたいような場合は、オモチャをつけたポンチョを利用すると良いでしょう。このポンチョを使うことで耳を噛まれたりする危険が減ります。ポイントは目の届かない背中部分にはオモチャを取り付けないことです。あくまでも目の届く範囲内で遊ばせるようにしてください。
A 鳥と遊ぶと楽しいながらも、爪やクチバシで洋服に穴をあけられたりしてしまいます。また半袖のシーズンには腕が傷だらけになってしまいます。本来は、できるだけ素手、素腕で接する方が望ましいのですが、なかなかそうはいかないのが現実でしょう。そこで、袖カバーとポンチョを利用すると良いと思います。100円ショップで売っている袖カバー(最近はカラフルなものが増えて、昔の「村役場風」ではなくなりました)に穴をあけ、ハトメ金具をつけてロープを通した木や金属のオモチャをつけます。丈夫なボタンを太い糸でしっかり留めても良いでしょう。ご存知のとおり鳥たちはボタンいじりが大好きです。
ポンチョは自作でも良いですし、女性のお化粧(ブラッシング?)用のものを流用しても良いでしょう。材質は木綿のものを使用したいものです。ポンチョの注意点は前記のとおり、目の届かないところにはオモチャを付けないことです。目の届かないところで鳥を自由にさせることは、ヒトにも鳥にも危険です。これはあらゆる面で言えることです。また、袖カバーは腕にぴったりし過ぎたものは、爪が貫通してしまいますし、あまりにダブダブなものは、鳥の足にからんで事故の可能性がありますので、適度なものを探してください。
こうしたことで、洋服や素肌を傷つけられるのを防ぐことができます。
オモチャは楽しく安全なものを | 楽しむエリちゃん | 肩掛けポンチョ | 喜ぶハナちゃん |
A 足環はブリーディング個体の「認識票」であり、密輸個体などを排除するためには、できるだけ足環をつけた個体を求めるようにしたいものです。ただし誤解のないようにしていただきたいのは、「足環のない個体はアヤシイ個体」とは決して断定できないということです。その事実だけをもって疑心暗鬼にとらわれることは良くありません。国内繁殖の個体(オオハナなどに多い)は、足環を付けていない個体も多いのです。輸入個体でも足環をしていないものも見かけます。しかし輸入個体の場合は足環付きの個体が安心できることは間違いないでしょう。
ただし、足環には閉式(クローズドバンド)と開式(オープンバンド)があり、自由に取り外しが出来る開式は信頼性に欠けます。通常はアルミやステンレスの金属製の閉式が使われています。これはごく若いヒナのうちに装着され、生涯はずせないものですので一応信用して良いでしょう。開式は一時的な識別に用いるものです。またカナリアなどフィンチでは樹脂のリングが用いられます。
足環は「認識票」と断言しましたが、残念なことに国際共通基準などがないので、刻印された文字だけでデータが読みとれないのです。ですから個体特定の認識票であっても、個体のデータとしての認識票の役には立たないということになってしまいます。
国内で見られる個体で一番簡単な見分け方は、環の断面が円か長方形かということです。言い換えれば丸いハリガネ型か円筒型か、ということです。一般的に言うと、円形はフィリピンのブリーダー(BII社)生まれ、長方形は欧米のブリーダー生まれと言えるでしょう。ところが欧米でも円形であったり、BIIも長方形を使ったりと混乱がありますので、断言はできません。
断面が円のフィリピン BII社生まれの個体 |
断面が長方形の 欧米生まれの個体 |
アメリカの場合、刻印はほぼ統一基準があります。「ブリーダー名3英字+生年2数字+連番3数字」がそれです。たとえばよく目にする「HVA」は、フロリダのブリーダー「Howard
Voren's Articles」(HP)の個体です。これに州やブリーディング場所を示すマークなども刻印されていることもあります。州名は横向きの2文字略号(カリフォルニア=CA、フロリダ=FL、テキサス=TXなど)で刻印されます。また着色アルミが用いられる場合を見かけますが、これは、同時に孵化した兄弟を識別するために用いられることが多いようです。
BII社の場合は「BII B 123」のような標記で、この「B」が何を意味するのかは不明です。ヨーロッパ(オランダなど)でも数字だけを2桁+3桁で表示したり、統一された基準がないことは本当に困った問題です。著名な獣医師の先生にもご協力いただきましたが、やはり明確には判らないというお答えでした。生年を刻印しないのは、老鳥を販売する上で支障があるという営業上の都合でしょう。
現在、ショップなどとともに調べておりますので、もう少し判明した段階で、お知らせしたいと思います。なお、「足環を右足に付けた子はどうこう、左足はどうこう」と言う説を耳にしたことがありますが、そのような事実は何の根拠もありません。単なるデマですので、気にされる必要はまったくありません。
A ブリーダーの出身を示す指輪のような足環の他に、S字型の環を付けられている個体がいます。これは足鎖をつけるためのものですが、足鎖飼いは鳥にとって非常にストレスになり運動不足にもなり、さらに危険なものですから、まったくオススメできません。S環は不要であるばかりでなく、引っかかって脚を折るような事故や脚の血行不良の原因になることも多いので、ぜひはずしてあげてください。ペンチでとるのは困難ですが、ボルトカッターで切除すれば簡単です。ボルトカッターは1000円程度でホームセンターで買えますし、オモチャ製作の鎖切断にも使えますので、1丁買っておくと良いと思います。
これがジャマなS環 | ボルトカッターで切除 | すっきりしたね | くつろぐね |
A 鳥が外で自由に遊びまわっている姿は見ていて楽しいものです。しかし基本的に警戒心の乏しい手乗り鳥は、外での自由な時間は危険と隣り合わせであることを理解してください。異物を呑み込む、踏まれる、ドアに挟まる、転落、鍋への落下など、危険を数え上げればきりがありません。手乗りのコンパニオンバードの放鳥(ケージから出す)時間は「ヒトが100%目配り気配りができる時間に限る」ことが鉄則です。
この時間は各自の生活様式によって様々でしょうが、たとえば共働き家庭などでは「朝30分。夜1時間」くらいが適当でしょう。短かすぎるようですが、鳥は鳥として、自分のテリトリー(ケージ内)でくつろぎたい時間もあります。常に放鳥しっぱなしをすることは、必ずしも鳥が喜んでいるわけではありません。また、こうした生活をしている鳥はケージに入ることを嫌うようになり、いざ移動、診察、入院といった場合に非常に苦労してしまいます。
また、鳥もヒトも「もう少し遊びたいよ〜」と思うぐらいの時間でちょうど良いのです。それが明日への期待につながります。あまり自由にさせすぎますと、手乗りであっても荒っぽい個性が出てくる可能性もあります。そうした意味では、最初の放鳥時間はごく短時間にし、毎日すこしずつ時間を長くして、その短い時間に中身の濃い遊びを共にすることが望ましいでしょう。各種手作りオモチャを工夫して、日替わりで遊び、毎日飽きさせないことも良いでしょう。つまりは外が毎日いかに楽しいかを知ってもらう事が大切です。毎日短時間でも必ず放鳥してください。わずかな時間でも鳥は外で遊べる可能性だけで多いに満足してくれるものです。
鳥は基本的に「日の出と共に起き、日没とともに寝る」のが自然の姿です。ですから飼い鳥生活でも同じような環境を用意してあげることは理想的なことです。しかし都市型生活ではなかなかこうした状況は作り出せないでしょう。その場合は遮光カーテンや夜間点灯照明など様々な工夫をしてストレスを減らしてあげましょう。
ところで忘れてはいけないのは、「熱帯と日本での日照時間の違い」です。常夏の熱帯と違い、日本では冬季かなり日が短くなります。そのために摂食時間が短くなってしまいます。これが健康に悪影響があるのではないかと言う獣医師もいます。赤道直下近辺の日照時間を調べ、一年中この時間を維持してあげることも大切なのかも知れません。
A ショップでは誰にでも「掻いて」のポーズをしたり、噛みもせず、おしゃべりもしていたイイコだったのに、いざ家に迎えてみると「鳥が変った」かのように、よそよそしくフリーズ状態になってしまったり、攻撃的になる場合があります。ショップでの姿との落差に愕然として思い悩むこともあると思います。しかしここで考えて欲しいのは環境の激変のストレスです。
ショップでは多くの人に接する機会もあり、特に長期間ショップにいた子の場合はすっかりなじんでしまっています。ところが突如、静かな部屋に連れてこられて接する人はごく限られた人数のみ。自分の「城」であるケージも今までのとは違います。これでストレスを感じないわけはありません。「鳥が変った」のではなく「環境が変った」のですから、ともかく最初の1週間は環境に慣らすことが必要です。ショップで手乗りだった子の場合、飼い主はすぐに外に出して遊びたくなります。しかし、ここはぐっと我慢して、環境とケージと家族に慣れてもらうことが大切です。さらに次の1週間はケージの外からおいしい餌をあげたり掻いてあげたりします。外に出て一緒に遊ぶのは2週間後、と考えるようにしてください。なお、このストレス期は病気への感受性が高まるので、ネクトンSなどの栄養剤でビタミンAを摂取させるようにすると良いでしょう。また言うまでもありませんが、ショップでの経験との落差に戸惑い、大切な新しい家族を放置したり「鉄は熱いうちに」などと体罰を加えたりすることは絶対にやめてください。
こうした状態は「転校生」をイメージしてください。北海道で元気に快活に遊んでいた子でも、いきなり東京や大阪の学校に転校したならば、当日からすぐには溶け込めないものです。ゆっくりと無理なく優しさと思いやりをもってつきあい、遊び、仲良くなってあげてください。あるショップではアメリカからの輸入鳥を検疫隔離している期間は寂しくないように英語のラジオ放送「FEN」をかけっぱなしにしてなじんだ言葉を聞かせてあげる気配りをしています。鳥の立場になって最善の対応を考えてあげましょう。
A 生体を扱うショップには常に鳥への愛情と理解、そして豊富な知識と丁寧さを求めたいものです。客だからと横柄な態度をとることも望ましくはありませんが、ショップ側がそういう態度ではさらに困ります。単なる物品販売業ではなくサービス業であることも理解して欲しいものです。接客態度については受け取り方により様々ですからここでは問題としません。気に入らないショップには2度と行かなければ良いだけのことです。
一番困ること、問題点は鳥を虐待しているのではないかと思われるようなショップです。こうしたショップには適切な扱いを要求したいものです。それはヒトとしての当然の行為とも言えるでしょう。この場合、次のような順を踏んで改善を望むと良いでしょう。
1.ショップの店長に直接改善を申し入れる
2.テナントの場合はデパート・スーパーの店長に申し入れる
3.チェーン店の場合は本部に申し入れる
以上で改善が見られなければさらに強い手段が必要です。
4.商工会や商店街会長に文書で申し入れる
5.鳥獣商連合会に文書で申し入れる
6.動物保護団体に連絡する(非常に効果的です)
A 野鳥のヒナが道に落ちている・・・まわりに親鳥が見当たらない、巣もない。カワイソウだからと保護してしまう場合もあるでしょう。しかし本来これは望ましくないことです。初夏などによく見受けられることなのですが、巣から落ちたわけでなく、親鳥に面倒を見てもらいながらも野鳥としてのさまざまな学習をしているトレーニング中であることが多いのです。親鳥が見当たらないのは大概の場合ヒト(あなた自身)がいるから近寄れないだけで、実は鳴き声で連絡しあっていることが多いのです。私たちが出来ることは、道の真ん中にいたら車のこない場所に移動させる、猫がいたら徹底的に追い払う、程度のことです。それ以上のことはすべきではありません。日本野鳥の会では「ヒナを拾わないで」キャンペーンを実施しているほどです。また赤裸のヒナが落ちている場合は残念ながら親鳥が虚弱な個体を淘汰したということが考えられます。私たち飼鳥飼養者は、家の鳥と野鳥を混同して見てしまいがちですが、まったく別物として考えなければなりません。そうでなければ鳥を籠に入れて飼うことなどできないはずです。自然界には自然界の掟があるのです。脱落したヒナが捕食者の
栄養源となってしまうことも、また現実として受け止めてください。
ともかく保護してしまった場合は
まず何をしたら良いのか?まず保温、そして栄養です。保温は病鳥の看護と同じようにフゴか水槽に入れて28℃程度、赤裸の場合は35℃程度で保温してください。栄養は大概の野鳥(雑食性)の場合、ブドウトウ(なければ蜂蜜)を40℃程度のお湯で溶いたものをスポイトで与え、慣れたら市販ので販売している、五分の摺餌(鮒粉等動物質が植物質の半分、つまり全体の3分の1という意味。ペットショップで市販していますので、これをお湯でどろどろに溶きます)を「育て親」という手乗り文鳥用の給餌スポイトで与えます。ここで気を付けなければならないのは手乗りでなく野生に返すことを前提に、淡々と機械的に与えてください。撫でたり声をかけたりしてはいけません。
摺餌を食べるようになってから一週間たてば、頭をつぶしたミルワーム(ペットの餌用として市販されているイモムシ)を食べさせます。やがて一人でミルワームを食べるようになり、飛ぶようになったら公園などで放します。その後に、その鳥を待っている運命は神のみぞ知る、ヒトが関与する問題ではありません。できるだけ長く生きていて欲しいと願いのでしたら、給餌の際にヒトに馴らせないことです。言うまでもありませんが、野鳥を飼うことは法律で禁止されている犯罪です。
そうした悲しい思いをしないためにも野鳥のヒナは保護(実は反自然的行為)をしないことが一番です。
ケガをしている鳥を見つけて保護した場合は
都道府県の自然保護担当部署に連絡してください。適切な保護センターや指定獣医師を紹介してくれます。連絡先は、コチラを参照してください。
すずめのヒナの飼養に関する参考になる優れたホームページがあります。すずめの学校をご参照下さい。
A 大型インコの飼養で最大の問題となりのが鳴き声の騒音問題でしょう。特に白色オウムの朝夕のオタケビやコンゴウインコの叫び声は容易ならざるもので、女性の悲鳴と間違えられてパトカーを呼ばれたと言う笑えない話もあるほどです。そこで防音の工夫となるのですが、まずだれしも考えるのがケージを吸音ボードで囲ってしまう方法です。軽量発泡コンクリートなども効果的です。しかしケージをこうして囲ってしまうことは、薄暗い環境に彼らを置くことになり、精神衛生上決してオススメは出来ません。そこでお困りの方に提案するのは音楽用防音室です。カラオケルームをご想像ください。かなりの遮音効果がありますね。このボックスを部屋の中の部屋として設置してしまうのです。完全な鳥ルームの完成です。
騒音はdB(デシベル)と言う単位で表わされます。一般に夜間の環境基準は40dBとされます。大型インコの声が何dBかはわかりませんが、およそ80dBとすると、差の40dBの防音性能が必要になります。
ただ、防音室は室内のユニットですから、ユニット外に出る音量は、テレビの音量である50dB程度ならば大丈夫と言えるでしょう。一般に「騒音を10デシベル低減させると、人間の耳には半分ぐらいになったように感じる」と言われています。つまり防音室に求められる性能は30dB減衰ということになります。
ピアノ用に楽器メーカーから各種の防音室ユニットが発売されています。例としてカワイの防音室を紹介します。
組立て式システム。 お求めやすい価格も大き な魅力。移設・解体もでき ます。 |
遮音パネルと音調パネルの組み合わせ による二重壁構造と浮床方式で、 遮音性能D−30を実現。 お部屋を傷つけず、工期も通常わずか1日 程度でスピーディーに設置できますから、 マンションなどの集合住宅でも手軽に 快適空間を実現することができます。 |
D−30の遮音性能をもつ ナサールSVE、NSVでは、 500Hz帯域では音量を30dB 以上小さくする事ができ、2kHz 帯域、4kHz帯域では、音量を 40dB以上小さくする事ができます。 |
このナサールSVEは「SVE17−18 1,670×1,770×2,260(1,530×1,630×2,130)
400 3畳間以上 568,000円から各種そろっています。仕様としては「遮音性能:D−30、壁:遮音パネル+音調パネル(ビニルクロス仕上)、天井:換気ダクト内蔵複合・クロス仕上、床:浮床構造 ニードルパンチカーペット仕上、ドア:木製防音ドア(窓付)、窓:二重ガラスFIX窓、照明:蛍光灯
60〜80W 1灯(インバータ)、コンセント:AC 100V 2P×1、換気:低騒音ファン、エアコン:取付可能
」となっています。
カワイ以外の各社も製造販売していますのでご参照ください。
カワイ楽器:http://www.kawai.co.jp
YAMAHA:http://www.yamaha.co.jp/product/avitecs/index.html
東京防音:http://www.bouon.jp/
より簡単な「簡易防音室」や防音カーテンを扱っている会社があります。
カーテンスターライト : http://www.jttisno1.com/ をご覧くださいませ。
A インコを連れて旅行をする場合、もしくは何らかの事情でよそに飛行機で送る場合、所定の手続きをすれば空輸することは可能です。この件については各航空会社にご回答をいただきました(1999.11.8現在)
日本航空(株)
(国内線の場合)
国内線では機内にペットを持ち込む事が出来ません。
受託手荷物として貨物室にお預かりする事になります。貨物室内は客室内とほぼ同様の温度です。
ペットは、事前の予約は不要です。搭乗当日30分前までに発券カウンターにてお申込み下さい。発券カウンターにてペット料金をお支払いいただいた後、チェックインカウンターにてペットもお引き受けいたします。
1.当該ペットは健康体、無害、清潔であり、悪臭を発しないことが条件となります。
2.当該ペットを当社のクレイト(檻) Sサイズ 縦43cm×横54cm×高さ40cm、Mサイズ
縦51cm×横69cm×高さ48cm に収容していただきます。但し、お客様所有のクレイトがペットの安全な航空運送に支障なく、又、他の搭載物に被害を与えないと判断される場合は、お客様所有のクレイトをご使用いただけます。
3.ペットの大きさは、当社所有のクレイト(S、Mサイズ)に収容できる範囲であることとし、それを超える大きさの場合は、原則的に貨物扱いとさせていただきます。
4.運送中に餌や水を与えることは不可となっております。
ペットは到着ロビーの手荷物引渡所にて係員がお渡しいたします。ペット料金につきましては、各路線毎、重量毎、クレート個数により異なりますので、国内線予約フリーダイアルにお問い合わせ願います。
JAL国内線フリーダイヤル(国内線予約・案内) TEL 0120−25−5971 5:30-22:00
(国際線について)
国際線では機内にペット(小鳥・犬・猫のみ)を持ち込むことができます。
1.機内に持ち込めるペット用かごの制限値
機内持ち込み用かご(CRATE)の大きさは、三辺の合計が115cms以内。サイズはペットの大きさに適したものであること。動物が普通に立ったり、横たわったり、方向を変えたりできる大きさ。金属製か木製、またはグラスファイバー、硬質プラスチック等の水漏れしないものまたは
PET SHOP 等で IATA 規定に則した CRATE(LIVE ANIMALSラベルが貼付してあるもの)
2.ペット持ち込みに対する料金
ペット料金につきましては、各路線毎、重量毎、クレート個数により異なりますので国際線予約フリーダイアルにお問い合わせ願います。
3.その他必要事項及び注意事項
ペットをお持ち込みになる時は必ず事前にご予約下さい。 その際 CRATE
の大きさ(3辺の長さ)とペットを含む総重量をお調べの上お電話くださるようお願いいたします。
国際空港事業株式会社(全日空・エアーニッポン)
(国内線のみ)
(1)インコを機内に持ち込めますか
残念ながら、持ち込めません
(2)持ち込めない場合、どこに収容されますか
航空機には、カーゴルームといって、手荷物・貨物・郵便などを搭載する場所が客室の下にございます。カーゴルームは通常3つ有りますが、そのうちの最後部に位置するカーゴルーム(バルク室)に動物等を収容致します。
(3)インコを入れるケージ(ケース)はどのようなものですか
基本的には、お客様で用意して頂く「かご」もしくは「ケース」等で輸送致しますが、航空会社が輸送に耐えられないと判断した 場合、「イヌおり」の中にケースごと入れて輸送する事もあります。
(4)収容場所の気圧・温度管理はどのようになっていますか
客室とほぼ同様に温度や気圧は管理されています。ただし、高度の関係で若干、温度や気圧に変化が生じる事があります。
(5)収容場所では猫など鳥の天敵とも同居するのですか
残念ながら搭載される場所に限りが有りますので、同じカーゴルームに搭載されます。ただし、カーゴルーム内(バルク室)のスペースが許す限り、極力天敵である動物どうしについては離して搭載することを心掛けています。尚、同じ空間に搭載する事になりますから、ダンボールや暗幕などでオリに目隠しして御搬入して頂ければ、周りの状況によって興奮し「羽」などを傷つけてしまう等の防止策になると思われます。
(6)輸送に関する費用はいかほどですか
手荷物扱いと貨物扱いならびに行き先、重量により料金が違いますので、お問い合わせください。